2003年 フィジーの労働事情

2003年6月4日 講演録

フィジー労働組合会議(FTUC)
サティッシュ チャンドラ

フィジー鉱山労働者組合 事務局長

 

国内の状況

 フィジーでは政権が頻繁に交代しています。それにより政府の政策は1987年から2001年まで、くるくる変更されました。この間、13の政権交代が行われました。投資家の信頼は依然として低迷しています。このような政治状況ですので、海外からの投資が受けられない状況です。さらに失業率も上昇傾向にあります。また、不安定なインフレに起因して、実質賃金が低迷しています。また貧困率も増大しています。
 また、借地契約が満期になったことによって、農村部からの都市への住民の移動が激しく起きています。土地を失って、都市へ移住してくる人たちが増えている状況で、こうした問題に対処するために、FTUCは政府や経営者団体と協力して、問題解決を図ろうと努力しています。

FTUCの行動方針

 FTUCは、労働法の改正に集中的に取り組んでいます。これは変化する労働慣行に対処するために、労働法を改正しようという目的です。
 FTUCは未組織労働者の組織化を果敢に進めています。組織化を進めるために、政府並びに関係省庁との対話を通して、また、FTUCが開催している研修会並びにセミナーなどを通して、組合員の教育をし、目的を達成しようとしています。
 1991年から98年の間に、製造業部門の雇用が非常に増えました。FTUCは政労使のフォーラムで、さまざまな政労使の協議会、あるいは委員会にナショナルセンターとして参加をしています。91年から99年にかけて、労働法の改正に果敢に取り組みました。さらに、IMFの措置に対しても、労働組合としての責任を果たしてきています。
 労働組合の中で、実際機能している組合は36あります。そのほとんどが、FTUCに加盟しています。労働法の改正が議論されていますが、その改正の焦点になっているが臨時並びに非正規の労働者に関する内容です。
 労働組合に所属している労働者の間の連帯感は非常に脆弱なものです。したがって、政府は労働組合の力を弱体化しようという動きを示し、労働組合の指導者の中には、現在所属している組織を離れて、新しい組織を作ろうとしている人たちもいます。その理由は、非常に政権交代が激しく不安定な状況なので、政府と組合との協調関係をつくるのが難しく、現在の形では労働組合の運動の展開も難しくなっているからです。
 FTUCは、労働法の改正案を既に議会に提出しており、この改正案をめぐって協議が行われています。来月に第3回目の協議がFTUCと政府の間で行われることになっており、その場で労働法の改正が話し合われることになっています。