2007年 トルコの労働事情

2007年2月21日 講演録

トルコ労働組合連盟(TURK-IS)
ウーラシュ・ゴック

青年委員会書記

 

トルコのナショナルセンター

 トルコ労働組合連盟(TURK-IS)は自由と多元的民主主義を支持し労働生活に関してはILOの原則と基準を擁護します。その目的とするところはこれらの基準に従って、労働者全体の権利及び利益を守っていくことですがその侵害に対しては組織としてたたかっていきます。もう一つの目的は、トルコの社会的経済的政治的な発展に貢献することです。

TURK-IS(トルコ労働組合連盟)

 TURK-ISは1952年に結成され国際自由労連(ICFTU、1960年)、ICFTUアジア太平洋地域組織(ICFTU-Apro,1973年)、欧州労連(ETUC、1988)にそれぞれ加盟しています。ICFTUとWCL(国際労連)が統合して新たに国際労働組合総連合(ITUC)を結成しましたが、TURK-ISは新組織創立メンバーでもあり評議会委員委員になっています。また経済協力開発機構労働諮問委員会(OECD-TUAC)には1975年に加盟しています。欧州労連(ETUC)とICFTU-Aproでは執行委員に選出されています。

TURK-IS(トルコ労働組合連盟)の構成

 TURK-ISは加盟組合38、産別組合28、全国に9つの地域事務所、組織人員、約70万人(2007年2月)から構成されています。ダイナミックで機能的な機構には立法、調査、教育、国際、女性労働、青年委員会、児童労働、労働安全・健康、組織、社会保障、新聞の各専門部をおいています。

組織化と雇用保障

 トルコ労働運動が直面してい大きな問題は、組合員の減少という問題です。さらに組織化の過程で起きる障害です。加盟組合の統計によると組織化活動ゆえに多くの労働者が解雇されています。2004年ではおよそ12,000の解雇のケースがありました。従業員30人以下の職場では労働法からも雇用の安定が保障されませんがトルコでは職場の9割がこのカテゴリーに入ります。そのために労働法の改正をもとめて運動しています。

反民主的社会労働法制

 1982年の憲法に関連する労働法制の結果、組織化に障害となる問題がでてきました。国家中心的な考え方が団結権にかかわるすべての法律に直接間接的に現れています。トルコはILO条約87号(団結権)、98号(団体交渉権)をはじめ中核的ILO条約すべて批准しています。残念なことに批准したILO条約にあわせた憲法をはじめ国内法の整備がすすんでいないのが現状です。

政府のスト規制

 労働省はストに対しては国家安全保障や公衆衛生や国民の利益に反するという理由でストを延期することができます。この労働省の権限は現存の労働協約、ストライキ及びロックアウトに関する法律2825号を根拠にしていますが、この法律が組織化を大きく制限する結果となっています。これはILO条約に矛盾しています。一つの例として自動車の窓ガラス製造工場のスト延期をあげることができます。政府の言い分は、ガラス製造がストップるすと自動車業界に悪影響を与えその結果国の輸出のみならず輸入にも影響を与えるとしてストを延期させたのです。

EU加盟問題

 TURK-ISはトルコのEU加盟を支持しています。ただトルコは団結権と団体交渉権にかかわる欧州社会憲章第5条と6条をまだ承認していない事実があります。

インフォーマル経済

 インフォーマル経済の拡大が組織化の障害になっています。高い失業率と低賃金がインフォーマル経済の加速的な拡散の原因になっています。TURK-ISは全国行動委員会を設けて雇用問題に取り組んでいます。

青年活動

 人口に占める若年者の比率は高く24歳未満の若年者が40%を占めます。しかし、若年労働者の要求に対する取り組みが十分でありません。若年者の組合活動参加に問題があります。
 トルコの労働運動は官公部門から始まりましたがグローバリゼイション、民営化の進展によって民間部門の組織化促進がいそがれています。これら環境変化に取り組むあらたな戦略が労働組合に求められています。TURK-ISは若い人たちの問題に取り組みTURK-ISへの関心をもってもらうために2006年2月に新たに青年機構をつくっています。