2007年 パレスチナの労働事情

2007年12月5日 講演録

パレスチナ労働組合一般同盟(PGFTU)
Juweiria Medhat Safadi

 

 パレスチナには多国籍企業は存在しない。現在注目されている問題は、ヨルダン川西岸地域に中東工業地帯という名の計画があるだけだ。パレスチナ人は約50年間もイスラエルの占頷下にあり、60%の家庭は貧困ライン以下の苦しい生活を強いられている。パレスチナ労働組合総連盟(PGFTU)が2007年に出した情勢報告では、15歳から60歳までの労働人口は全体の54%、そのうちの40.7%が就業しており、59.3%は失業している。また恒常的に織についているものは68.9%で、パートタイムで仕事をしている人は7.4%である。若者の失業率は非常に高く35%を下ることはない。労働組合に加盟している労働者の数は24万人、労働人口に占める女性組合員は8%である。 パレスチナ労働組合総連盟には13の一般組合があり、まず建設木工業組合、これが最も大きな組合である。次に、食糧・農業組合、繊維業組合、石油化学組合、公共サービス組合、観光産業組合、保険サービス組合、金属産業組合、銀行・保険組合、印刷・メディア組合、公共運輸組合、郵便通信組合、市役所組合である。総連盟の中には組織局をはじめ7つの事務局がある。総連盟の戦略としては、まず第1に組織の強化、第2に労働法制、労使関係に関する制度を発展させること。それは労働者の社会的な権利擁護と雇用の確保のためである。第3に女性及び若者の組合活動への参加、それに貧困と失業への対策である。パレスチナにおける青年の雇用問題が大変なことは、国内に就職の機会がないことにある。昨年も4万人の若者が職を求めて国外に出て行った。
 われわれが今一番に直面している問題は、イスラエルの占領軍が組合活動を妨害するということである。軍が組合事務所に乱入してファイルやコンピュターを押収していってしまうため、活動の継続が不可能となってしまうことである。パレスチナは長い間イスラエルの封鎖に苦しめられており、さらに占領地が検問所によって分断され、小さな区域に仕切られパレスチナ人同士の往来が制限されている。また、イスラエル領内のイスラエル企業やイスラエルの経済活動の下で働いている労働者の不利益や差別問題などもある。 さらにもう一つの問題は、分離の壁である。イスラエルが建設中の分離壁はパレスチナ全土に広がっているガン細胞ともいえるもので、この壁のためにパレスチナの都市に住む多くの同胞が自由に行き来ができなくなり大変困っている。時間が来ると分離壁に設けられている関門が閉まってしまい、時間に遅れてしまうと家に帰れなくなってしまう。分離壁ができる前は27万人のパレスチナ人がイスラエル領内で働いていたが今は労働許可証を持って働きにいっているのは3万人までに減っている。