2005年 パレスチナの労働事情

2005年9月7日 講演録

パレスチナ労働組合総連盟(PGFTU)
ムハンマド・アブドゥルハミード・アルアターウナ

ヘブロン地区教育担当コーディネーター兼広報担当

 

 パレスチナ労働総同盟は、独立した民主的な全国組織であり、約35万人の労働者が加盟しており、12の一般組合から構成されている。12の一般組合は県・地方に支部を持っている。全国レベルでは執行委員による運営され事務局もある。決議機関として大会・会議がある。組織は民主的な労働者の独立した組合であり、非政府組織であり、労働者の権利を擁護するための機関である。
 経済に対する考え方は、外からの干渉を受けず、独立してかつ公正な経済・社会を建設することが国会の独立にいたることを目的としている。
 組合活動として教育・訓練・啓蒙広報活動を様々な形で行っている。これらの活動は組合の中で大きな役割を果たしている。
 総同盟の活動は、英国統治下の1922年から始まり、当初は職場の中に委員会つくり、県・地方支部を訪問することから始まった。組織の主な部局は、組織局、啓蒙広報局、法律・要求局、労働安全局、社会保険局、女性局であり、女性局は歴史的に女性が虐げられてきたことへの反省から設立された。
 最近の政治情勢として、ガザ地区からのイスラエル撤退があるが、依然パレスチナのほとんどの地域が占領されたままである。また自治政府の権限が実際に及んでいないという問題を抱えている。
 パレスチナ独立の為に労働者がどのような役割を果たしてきたかというと、独立のための闘争の前衛にたって行動してきた。すでに何千人という殉職者をだしている。1967年以来、イスラエルという国の隣に、包括的かつ公正な合意の結果としての独立国を建設する目的のため日夜努力している最中である。経済面では、困難な状況の中で市場経済を目指しているが、世界経済のグローバル化がもたらす否定的側面の影響を受けている。海外からの投資、経済活動が必要だが、安定していないこと、占領が続く限り経済の開発はうまくいかいない、開発は人間の死と一緒にならない、生きるということが開発と一緒であるといえる。
 貧困問題について、それに立ち向かうため総連盟は10年ほど前から「パンと自由と公正な平和」というスローガンを定めている。これは、平和よりまずパンが優先することである。貧困はイスラエルが意図的につくりだした状況であり、人々は貧困ライン以下の生活の中で、明日のパンに事欠く状況である。労働者75万人の内、65%が失業者となっている。
 労働法制については、ガザで使用されてきたエジプトの労働法制、西岸で使用されてきたヨルダンの法制に代わって、2000年の法律第7号がパレスチナの基本的労働法となっている。しかし、政治情勢の悪いこともあって、労働裁判所がないなど、実際にこの法律が適用されない状況にある。

パレスチナ労働組合総同盟(PGFTU)
アブドゥルハキーム・ファリード・シェイバーニー

ジェニン地区教育担当コーディネーター

 

 労働総同盟は、イスラエルの占領が続く困難な状況の中で、労働者の権利を擁護するための役割を労働運動の中で果たしている。
 総同盟が組織化の努力を続けてきた結果、色々な職業の中から約35万人が組織されている。
 パレスチナにおいては、イスラエル側事業所、パレスチナ側事業所の閉鎖問題が生じ、解雇、失業、賃金の未払い、労働者の権利が守られない等々の問題が多く存在している。
「パンと自由と公正な平和」は、本当に労働者にとって必要なものであり、働く権利を確保するということが非常に大事であるとのスローガンとなっている。総同盟は労働者の権利を守るため、数百の労働委員会を設け、各事業所を訪問し、労働条件や法律が守られているか監視し、調査を行っている。
 自治政府が力を持っていないのは、占領当局の政策である、前出の法律7号-労働法-が実際に施行されていない状況である。
 この中での組合活動は非常に困難なものがあるが、占領当局との連絡、調整を行い対応している。また、NGO、労働省とは良い関係を保持しながら、西岸、ガザの地方自治体との協力関係強化、他地域のアラブや国際機関との連帯関係、強化を目指している。