2011年 ヨルダンの労働事情

2012年2月10日 講演録

ヨルダン労働組合総連盟(GFJTU)
Mr. ファフリ・アルアジャールメ

 

1.労働情勢(全般)

 ヨルダンでは現在、他のアラブ諸国同様に国内の経済・政治情勢をめぐる若者の運動が続いている。こうした運動のひとつに労働組合運動があり、労働者の諸問題に取り組んでいる。中でも賃金をめぐる労働運動は最も重要であり、三者構成による委員会を通じ政府、使用者との対話が続いている。最低賃金の引き上げが昨日(2012年2月9日)実現した。

2.労働組合が現在直面している課題

 最も大きな課題は大学や職業訓練学校を卒業した人々、新卒者の雇用問題である。ヨルダンでは学校教育を受けた若者の割合が非常に高く、識字率は90%に上る。企業の民営化、多国籍企業の参入、労働者の権利保護のための労働法制や社会保障制度の見直しも問題である。

3.課題解決に向けた取り組み

 ヨルダンの労働組合運動においては、政府や経営者側との恒常的、継続的な対話を行うこと、団体交渉によって解決を目指すこと、また各職場に労働者の労働委員会を設置すること、といった取り組みを行っている。
 このようなすべての活動は、対話の精神と相互尊重を基本に置いて取り組んでいる。
 今、ヨルダンの職場において掲げられているスローガンは、「職場の安全・衛生が第一」というものである。労働組合としては、「片方の目は工場・職場に、片方の目は労働者に向けよう」という標語を掲げ運動を進めている。

4.ナショナルセンターと政府との関係

 一言でいれば、協力的な関係にある。政府からも各当事者に対して支援が行われ、政府と労働者側と経営者側の三者による協議が奨励されている。2003年には経済社会評議会が設置され、労働組合の代表者がこのメンバーとして選ばれている。政労使三者による共同決定を行なうという原則に基づき設置された。

5.多国籍企業の状況

 ヨルダンには、カリウム、電気、セメント、港湾事業、民営工業団地等の分野において、多国籍企業が進出している。多国籍企業においても、団体交渉を通じた労働条件の改善に向けて使用者との恒常的な対話を行なうとともに、労働条件をめぐる原則を定めることをめざしている。