2014年 ベネズエラの労働事情

2015年1月23日 講演録

ベネズエラ労働総同盟(CTV)
カラボボ州建設産業労働組合連合(SUTICEC)
執行委員
ジュビディ・ムリエル・マルティネス・ゴンザレス

 

1. ベネズエラの労働情勢(全般)

 ベネズエラは、石油産出国として知られているが、石油に次いで強い産業が建設業である。ベネズエラには労働者の権利や義務を規定する幅広い法律が存在する。しかし現在、組合活動の自由は政府からの弾圧にさらされている。
 15歳~24歳の若年層の20%が失業しており、女性55歳以上、男性60歳以上の高齢者層(年金が支給されるが働くことが必要)の失業も増加している。労働時間は1日8時間、週40時間労働を超えてはならないと法で規定されているが、使用者は有期雇用、パートタイム労働、成果主義にもとづく雇用契約、試用期間などを使い、労働者の雇用の安定を保障していない。公共部門では様々な役職、様々なレベルに女性労働者が多いにもかかわらず、女性労働者の立場は非常に弱い。また、零細企業(従業員1~5人)、インフォーマル労働者の増加に加え、児童労働、不法移民の雇用なども増えている。

2. 労働組合の直面する課題

 組合活動の自由を守ることは容易なことではない。法律や、労働省、労働基準監督署、全国選挙管理委員会など、法律の運用権限のある国の機関が、労働組合の存続や設立を阻む弾圧者となっている。例えば、ある労働組合で役員の選挙をしようとするときは、まず労働省に申請し、次に国家選挙管理委員会にも申請し、両方の許可が下りて初めて役員選挙を実施することができる。労働組合の運営プロセスは、実際にこれらの国の機関によって厳しく監視されている。独立した人権として誰でも労働組合に加盟できるはずのメカニズムは適用と変更が繰り返され、労働協約の議論を始める際に、執行延期措置が適用され、場合によっては議論自体が拒絶される。さらには、職場において、新規組合員の加入を働きかける組合リーダーに対する暗殺依頼さえ生み出している。
 公共、民間の企業でディーセントワークのための環境を整え、インフォーマルと呼ばれる無防備な部門もしっかりと規制するよう法規制を改善するため、覚悟、規律、教育、倫理観と道徳観のある労働組合をつくろうと私たちは努力している。
 また、労災予防の文化を作り上げなければならない。わが国では就業中の事故や疾病が多いが、労働災害の告発と調査に1年もかかる場合があるからである。
 歴代政府の経済社会政策では、正当な賃金のディーセントワークが不安定労働へ置き変えられようとしており、自由な労働組合活動を充分に発展させることは不可能である。

3. 解決に向けた取組み

 労動組合の数を維持・拡大し、あらゆる法的手段および業種に応じた類似組織との地域的、国際的連携を活用できるよう、これらの労組を教育し、セミナー、ワークショップ、フォーラムなどを開催する。労働キャンペーン、ネットワークなどを通じて組織の発展に不可欠なつながりを作り、わが国の生産プロセス改善の中で私たちにとって優位な環境を作り、今の政治体制の中で労働組合が消滅しないように努力する。
 自動車、エネルギー、石油産業を始めとするあらゆる分野で、女性の労働組合加入を促進する。ベネズエラには憲法、女性・家族・児童・青少年基本法があるが、まだ女性の立場は弱いので、仕事を続けられる環境を作るためである。建設業界は幸いなことに、管理職であれ一般従業員であれ、あらゆる職種において男女平等をうたう労働契約があるが、労働組合活動の自由を一つの人権として認めさせること、様々な業種での若者の雇用を正規雇用にすること、生活できること、職業人としての成長、機会の提供、正当な賃金、労働者の生活水準向上のための前進的な集団契約(労働協約)、命を賭して前向きな労働条件を守った人々の成果を受け継ぐことなど、まだ取り組むべきことは多い。
 今のベネズエラには、あらゆる分野、あらゆる構造における労働組合の政策活動の結束を維持し、弱点を克服するための共通の基準を定めることが必要である。これ以上労働組合の併存状態(ナショナルセンターは3組織ある)が続くのは民主的な組合活動ではないからだ。