2011年 ベネズエラの労働事情

2011年12月9日 講演録

ベネズエラ労働総同盟(CTV)
Mr. アレハンドロ・サンチェス・カマカロ

 

1.労働情勢(全般)

 我々は、政府がディーセントワークを侵害しようとする状況の中で活動している。労働協約の話し合いはなされず、労働協約の交渉ができるのは、多くの労働者を代表していない、政府寄りの労働組合だけである。例えば、医療従事者や公務員は労働協約の交渉ができない。また、三者協議等はさらに難しい。政府は、ナショナルセンターに相談せず賃上げを決定し、最低賃金レベルまでしか引き上げない。ベネズエラではインフレ率が高いので、労働者の購買力は日ごとに下がっている。また、社会保障制度はあるが、全面的には承認されておらず、部分的な制度しかないので、労働者が必要としていることの全てに対応していない。さらに、労働組合の自由な活動が侵害されており、イデオロギーや政治的な理由から、政府機関から迫害や抑圧を受けている。ベネズエラでは労働者は多くの問題に直面している。一部前進や改善があるが、こうした現実をここで伝えたい。

2. 労働組合が現在直面している問題

 CTVが労働者のためにおこなわなければならない課題は多い。社会対話を復活し、推進することで、問題の一部を解決できると考える。社会対話により期限切れになった団体協約を復活させ、建設部門でおこなわれているような労働組合への暴力行為を減らし、労働組合の対立を減らす。対立は、労働組合の力を分裂させ、ベネズエラの労働者の利益や労働者の戦いに不利益になるだけである。また、組合幹部が合法的に活動できることが必要であるが、政府は政府機関を通じて介入してくる。

3. 問題解決に向けた取り組み

 社会対話については、国内や国外での機会を利用して、社会対話の存続に必要な全てのセクターの参加を得て社会対話をおこなうよう訴えてきた。また、わが国に存在する独立系のナショナルセンターと協力し、労働者のために協力して社会労働問題に取り組もうとしている。さらに、建設部門では、組合への暴力行為に対して対策を講じるための作業部会を開いている。さらに重要なことは、労働組合活動の合法化であり、このためにCTVの中に委員会を設置した。労働協約については、常に労働協約を要求し、労働協約の要求実現にむけて組合員を支援している。選挙については、今年大会を開催し、大会では全国選挙委員会のメンバーを指名した。私も委員会のメンバーになっている。現在は、ナショナルセンターの選挙に必要な準備をおこなっているところである。

4. ナショナルセンターと政府との関係

 社会対話がないので、政府との関係は皆無と言わざるを得ない。私のナショナルセンターのカルロス・オルテガ会長は、現政権により逮捕収監され、現在はペルーで政治亡命生活を送っている。

5. 多国籍企業の進出状況と労使紛争

 国内にある多国籍会社は、例えばブラジルのOBEDREDH社のように政府調達関連会社であり、政府と関係をもっている。その他、例えば、LAFARGETやCEMEXといったセメント会社がベネズエラに進出したが、国有化をされたために、そこに存在する労働組合は政府寄りの組合になっている。また、銀行も、サンタンデール銀行が進出したが国有化され、その組合も政府寄りの組合である。