2000年 ペルーの労働事情

2000年7月19日 講演録

ウルバノ・ガライ・グティエレス
ペルー電話社労働者組合労働者保護担当

 

 これから私は手短に3つの点について話したいと思います。第1が我が国の政治・経済・社会情勢、第2が我が組織が行っている活動について、そして第3が私どもの活動を強化するために現在やっている行動です。

政治・経済・社会情勢

 80 年~90 年代、前政権下の、特に85年~90年にかけて労働者の状況はそれほど悪くはなかったと言えます。もちろん仕事はそんなにはありませんでしたが、給料レベルは普通のレベルにあったと思います。
 しかしこの状態は90年~95 年にかけて、また95年~2000 年にかけて大変深刻な状態になってきました。これは政治が変わったことが原因だと思います。フジモリ氏が大統領になりましたが、フジモリ氏は選挙に勝つための公約として、公的な企業の民営化は行わない、雇用を増やす、対外債務を返済する、教育や医療を充実させる、人口の分散化を図る、労働組合と対話をもつと言っていましたが、1つも守られてはいません。
 大統領は、既に10年大統領を務めていて、90年に当選したときには、スカンビオノベンダ(90年の変革)という党を結成し政権をとり、95年にはノエバマヨリーヤという政党名に変えて政権をとり、今度はペルー2000という政党の名前で再選を果たしています。10年間フジモリ政権がありますが、この間に政治的・社会的な危機をもたらしました。
 今年、第1回目の大統領選挙が4月9日に行われましたが、フジモリ大統領は過半数をとることができず、5月28日に決戦投票となりました。この選挙は透明でなく、不正が行われ、署名を偽造したりする行為が行われました。現在、フジモリ氏は軍や選挙管理委員会、司法部門を管理していて、また国会も掌握していますので、これは文民による独裁政権と言えます。
 大統領は、労働者や労働組合に不利になるような法律を発効し、このおかげで現在、多くの労働組合が消えています。そして労働組合の結成に関しても多くの必要条件を出してきました。そして労働組合員になるにもたくさんの条件を満たさなければなりません。
 この文民による独裁政権により、私どもペルーには透明な民主主義がなくなってしまっています。フジモリ大統領はマスコミも掌握していて、野党の活動もまた自由にできない状況になっており、産業、特に工業や商業はほとんど活動していません。この中で失業率や潜在失業率が増えています。また、私どもの国では潜在失業率や失業率が増えることで、犯罪も増えており、売春などの行為も行われています。

CUT-PERUの活動

 組合運動についてですが、ペルー統一労働組合(CUT)としては、今、労働者の権利を確立し、法治国家を確立させるためにいろいろな闘いを挑んでおります。私たちは労働法の改正により労働組合が解散しているので、労働組合の再建という活動を行っています。労働法の改正以外でも、工場等の閉鎖により労働組合がなくなるという状況も起こっています。
 そして私どものナショナルセンターとしては、選挙前にいろいろな活動をしてフジモリ大統領の再選を阻止しようとしました。ある程度は目的を達しましたが、フジモリ大統領は新たに第3期目をおさめるのではないかという予想が強まっています。
 国会は労働者の組合運動を支援しないし、私どもの活動は無視されるので、私どもは国際社会に訴えるしかありません。このためにICFTU-ORITですとかICFTU自体に、そしてラテンアメリカの通信関係の労働組合の組織、特にITSのPTTI(現・UNI)などに訴えかけると同時に、JILAFに対しても、この席で私の意見を表明したいと思います。

通信会社の民営化

 通信関係の民営化が、1994年に2つありました通信関係の国営企業、エンテルペルーとCEPはスペインのテレフォニカ社に売却されました。そしてスペイン側の資本が入ってきたのですが、その当時は労働者を保護する法律があったのですが、テレフォニカ社はフジモリ政権と結託し、労働者を保護する法律をなくしたために、簡単に解雇ができるようになってしまい9,000人の仲間が失業しました。フジモリ政権は多国籍企業に有利なような法律をつくってるので、私どもはこれに対して抗議行動を起こしています。
 新しくできた労働関係の法では、団体交渉も自由な労働組合の結成もスト権も大幅に制限されています。私どもと政府間で9カ月間話し合いが合意に至っておりませんので、ゼネストを仕掛けようと計画しています。
 そして、私どもは南米やヨーロッパの通信関係の労働組合とプロトコールに署名しました。これによって私たちは統一した労働者としての行動をとろうとしています。フジモリ政権が新政権に就任しないように、私どもは7月フジモリ氏が大統領として宣誓を行うのを阻止しようとしています。
 私どもは政権交代を要求します。そして、労働法に関する見直しの要求と、より雇用を生む要求、政府の政策を変える要求、できれば政権交代を望みたいと思います。