2007年 パラグアイの労働事情

2007年2月7日 講演録

パラグアイ中央統一労働組合(CUT)
フアン アルド スニード ヴィジャサンティ

運輸関係労働組合書記長兼CUT副会長

 

 パラグアイでは1989年の独裁政権の崩壊以降、労働組合運動や社会運動が強化され、労働者の社会的、経済的な利益が増進された。パラグアイには現在、7つのナショナルセンターがある。人口600万人の国にとっては多い数であり、1つにまとめるようCSPと呼ばれるナショナルセンターを作る動きがある。
 パラグアイの人々は非常に貧しい状態に置かれている。国民の10%の富裕層が富の42%を独占する一方、国民の10%を占める極貧層は1.0%しか得ていない。そして40%をしめる貧困層への分け前は10.5%の富に過ぎないのである。パラグアイ国民の200万人近くが、貧困状態で暮らしている。つまり1カ月の収入が50万ワラニー以下の人たちであるということで、50万ワラニーは米ドルで100ドルのことである。
 社会保険を見ると、社会保険庁(IPS)があって、家事労働従事者を含めた雇用労働者の23%が加入しているのに過ぎないのである。ほかの多くの労働者とその家族が、医療サービスや入院しての治療が受けられないという実態にある。
特に注目される点は、賃金労働者の65%近くが最低賃金の水準にあるということである。およそ122万ワラニー以下で働いており、最低賃金が労働者の賃金の上限になってしまっているという状態である。都市部の70%近い人口が貧困状態にあり50%は極貧の状態にあるのが実態である。
CUTをはじめ労働組合は、権利の獲得や労働条件の改善のために取り組んできた。しかし、労働者の権利を守るべき法務労働省は単なる行政機関の役割しか果たさず、状況の改善は進まず、組合員組織率も低下している。労働紛争にかかわる司法手続きも解決までに時間と経費がかかりすぎる。もっとも大事なことは労働者が国を超えて団結することであり、こうした機会に改めて団結を呼びかけるものである。