2003年 エクアドルの労働事情

2003年2月19日 講演録

エクアドル自由労働組合総同盟(CEOSL)(ICFTU-ORIT推薦)
ぺぺ アルフレッド ロハス テネンパグアイ

エクアドル自由労働組合総同盟 青年部事務局長

 

 エクアドル自由労働組合総連盟(CEOSL)の組合員の数は13万人で、うち30%が女性です。構成している分野は、公共部門、民間部門、インフォーマルセクター、農業従事者、更に先住民も含まれています。労働人口は約500万人で、うち4%が民間企業で働いている労働者です。労働組合組織率は2%にすぎません。

国内の情勢

 2000年に、エクアドルの通貨はドル化されました。エクアドル独自の通貨はありません。物価は5倍にはね上がり、労働者の生活は悪化しました。そのような状況の中で政府に対する闘争のみならず、エクアドルの制度に対する闘争を行っています。そのために、CEOSLは、さまざまな市民団体と協力体制をとっています。労働組合、先住民の組織、農業従事者の組合、それから左寄りの社会主義的な政党とも共闘しています。
 去年、大統領選挙が行なわれました。労働組合は特定の候補者を強力に支持し、無事、大統領に当選させることができました。ルシオ・グティエレス現大統領です。その意味で何らかの形で、この新政権に参加していると言えますが、労働組合が政権の一部を構成しているわけではありません。完全に独立しており、独立の姿勢を貫きながらもさまざまなプロジェクトに参加し、社会の向上のために努力しています。労働組合の支援で、貧しい人たちの支持を得て、新しくでき上がった政権が、既存の政党や富裕層の影響によってつぶれないように、努力しているところです。
 現在「交渉テーブル」と名づけている活動を推進しようとしています。経営者、各政党をはじめとするさまざまな団体が話し合いをする場です。三者構成の会議であるこの「交渉テーブル」のすべてに参加しています。そこで次のようなさまざまなプロジェクトを進めていこうと思っています。新経済構造の確立、雇用の創出、労使関係についてのプロジェクトなどです。
 一番重要なことは汚職の追放です。エクアドルは世界でも多くの汚職に悩む国の一つです。汚職をした者には厳罰が加えられるような措置をとるよう要求しています。
 もう1つ、共同で行いたいと思っている活動は、アルカと呼ばれているパンアメリカン自由貿易協定です。この自由貿易協定はエクアドルの経済社会に害を与えるものであり、労働組合は反対しています。同様に、国有企業の民営化についても反対をしています。しかし国営企業の近代化は、エクアドル国民のためには進めていかなければいけないと思っています。

CEOSLの活動方針

 まず、第15回全国大会を行わなくてはいけません。大会で委員長と書記長を選出し、今後3年間の方針を確定しなければなりません。もう1つの課題は、労働組合組織の改革の問題です。現在、エクアドルの労働組合組織は企業別に構成されていますが、この企業別労働組合の方法は、労働組合運動を壊しつつあると思っています。経営者側は労働組合に関係する者をどんどん解雇しています。労働者の組織率を低下させる原因にもなっています。
 企業別労働組合の方法が労働組合運動を壊しつつあるというのは、派遣労働者が多いからです。業種ごとの労働組合をつくり、そこに派遣労働者も含めたすべての労働者を加盟させる方法を考え、そのために、労働組合運動リーダーの養成に力を入れており、新しい組織構造がどういうものであるかということを知ってもらうために教育をしています。同時に、当局に対する新しい組織構造の登録のための手続書類も準備しています。
 もう1つのプロジェクトは、全国レベルでの継続的な教育プログラムです。これは、労働組合のリーダーを恒常的に、全国レベルで養成していこうという試みです。この教育プランは、CEOSLに所属する、INELと略称される労働教育研究所を通じて行われる予定で、この研究所は教材の準備を進めるとともに、講師の教育も行っています。大学と講師の派遣についての協定も結んでいます。同時に、既にさまざまな形で労働教育運動についての教育を受け、知識を持っている人たち、例えば弁護士とか、全く別の職業についている人たちに労働教育についての講義を行ってもらうプロジェクトです。
 そういう意味で、今回の日本への招聘を受けたことは、私たちにとっては非常によいチャンスでした。ここで学んだことを、国に持ち帰って、いろいろ応用ができるという意味で、非常に有意義な招聘事業だと思っています。