2002年 エクアドルの労働事情

2002年7月3日 講演録

エクアドル自由労働組合総同盟(CEOSL)
ホセ ナルシソ アラヴァ モンテロ

ポサ・オンダ上水労働組合 財務担当書記

 

CEOSLの状況

 エクアドルには5つのナショナルセンターがあります。CEOSL、CTE、CEDOC-CALT、CEDOC-CUT、UGTEです。CEOSLの組合員数は15万人です。組合員の数からしても、また、組合活動からしても、労働組合を代表する組織と言えます。
 CEOSLは、3年に1度の大会を開催し、3カ月に1度の中央委員会、毎月一度の執行委員会を開催しています。執行委員会のメンバーは会長1人、書記長1人、副会長は代理を含め13名です。CEOSLの本部は首都キトにあります。14の州と7つの郡に支部を置いています。そのほかに、9つの産業別組織があります。こうした組織は下部組織であるコミッティーと呼ばれる職場委員会やユニオンと呼ばれる労働組合、アソシエーションと呼ばれる親睦会などからなっています。
 そのほかにもFNMT(女性労働者国家戦)線、MJE(エクアドル青年運動、RDHS )(人権と労働組合の権利のネットワーク)といったジェンダー、青年、人権など、テーマ別の作業を行う機関があります。CEOSLにはINEL(労働教育研究所)という独自の訓練機関があります。この機関は中央執行委員会により事前に承認された年間教育計画に基づいて運営されています。
 CEOSLの活動経費は、組合員の組合費のみで運営されています。組合費は1カ月の給料の0.5%に相当します。また、行事などが開催される場合には、ICFTU(国際自由労連)、ICFTU-ORIT、またILOからの援助を受けることもあります。
 活動の中心は、労働者の権利の擁護、労働者の権利を守るための戦い、労働者階級に不利になる法律の廃止、より公平で正当な法律の施行などです。主な活動は、国営電力や石油会社の民営化反対運動や、社会サービス関連の教育、医療、社会保険の民営化に反対する運動を行って、全国規模でストを指導してきました。またFTAA(米州自由貿易地域)の設立への反対、汚職と能力のない政府への反対、社会保険制度の擁護、対外債務やアメリカが私どもの地域に行っているプランコロンビアへの反対、つまり、人権と労働組合員の擁護の運動を行っています。

CEOSLの活動方針

 2002年1月17日~18日、首都キトで開催された執行委員会で1年間の活動計画が承認されました。1年間の活動目標として組織対策や団体協約に関する対策、労働者組合対策、賃金、民営化への対策、汚職対策、労働者の権利の擁護、FTAAへの反対、グローバル化反対、国際政策やアンデス同盟諸国への政策に関する目標が定められました。
 CEOSLは、組織化推進グループをつくり、計画的に新しい組合をつくる活動を行っています。特に、バナナと花の栽培部門の組合づくりに力を入れています。また、インフォーマルセクターの労働者の組織化キャンペーンも行っています。分野ごとに、団体協約締結を推進していますが、この目標はまだまだ進行中と言えます。
 2002年の労働者教育計画では、CEOSLの教育機関であるINELが、青年やジェンダー、児童労働、人権団体協約、リーダーシップなどのテーマで、教育担当者育成プログラムを実施しています。賃金政策や民営化、汚職の根絶、人権保護政策について、CEOSLはそれらの法制度改革のための計画を打ち立てています。この計画はもうすぐ発表できる状況です。また、民営化反対運動は大きく盛り上がり、社会保険庁の民営化や電力会社の民営化を阻止することができました。また、軍や政府、警察内での汚職の処罰を、RDHS(人権と労働組合の権利のネットワーク)を通じて政府に要求しました。このネットワークを通じて、人権や労働組合権が侵害された場合に訴えを起こし、関係組織と戦略的な協定を結んで労働者・労働組合の権利に対する企業や政府からの侵害に対応するようにしています。
 国際的な面では、新しい技術を利用して外国の関係組織とコミュニケーションを強化しています。また訪問プログラムで経験の交流を図っています。また、教育訓練やプロジェクトで協力協定を結んでいます。困難な状況に直面した場合には国際的な連帯を要請したり、また提供したりしています。このよい例として、バナナ栽培の労働者が適切な国際支援を得たことが挙げられます。また、CEOSLは、ILOに対し政府がILO87号条約と98号条約を侵害していることを訴えました。
 まず残念なこととして、エクアドルの大統領は世界中を遊説して回っていますが、世界中旅行するのはいいんですが、労働者のことや国民が貧困状態にあるということを一切考慮してくれません。また、私が所属している上水関係ですが、上水サービスはひどい状況になっています。そして、労働者には防御器具や安全用具が一切提供されていません。そこで上水労働組合とその関係者は、労働者が安全具を得られるように活動をしているところです。エクアドルでは、団体協約が十分に機能していません。唯一団体協約がよく締結されているのは大統領が住んでいる近隣の県だけです。