2000年 エクアドルの労働事情

2000年7月19日 講演録

マリオモラレスパッラ
ビチンチャ州自由労働組合連盟会長兼CEOSL 副会長

 

エクアドルの政治・経済・社会状況

 今、私どもの社会状況は大変深刻化しています。政府は金持ちしか支援せず、私どものような貧しい層がますます貧しくなるような政策をとり、貧しい者から税金を徴収するような施策をとっています。
 憲法で保障されている医療や教育についても、教育費や医療費を削減しようとしていて病院の治療等の医療サービスを廃止しようとしています。もしも医療が民営化されると、もっとひどいことになると思います。それに加えて、現在あるガス、電気やガソリンに対する補助金を政府はなくそうとしています。
 1997 年から現在までに私どもの国では4 人の大統領が交代しています。最初はブカラン大統領、アラルコン大統領、マウア大統領、そしてノボア大統領です。ノボア大統領は1月22 日に就任しましたが、ラテンアメリカで初めて通貨のドル化を行いました。このようなドル化を行ったために、我が国の政治・経済・社会状況は最悪のものになりました。
 この他で深刻な問題として汚職の問題があると思っております。この汚職の問題はどこにでも蔓延していて、政府の中にも公務員の中にもあります。そして、銀行に対する不信があり、国民は銀行からお金を引き出してしもう1 つの問題に対外債務問題があります。国の予算の54 %は対外債務の支払いに使われています。現在、最低賃金は110 ドルとなっています。現在、労働法についても改革をするという声があります。

CEOSL の活動

 CEOSL の目標の1 つとしましては、CEOSL の中に入っている労働組合の強化が挙げられます。そして、より参加型の労働組合運動を進めていきたいと思っています。それと同時に私どもはナショナルセンターとして、組合員に対して労働組合運動やその他の職業訓練等の教育の機会を与えたいと思っています。
 そして、現在我が国に6 つあるナショナルセンターの統合を図っています。このナショナルセンターの統合については中長期で行う運動だと認識しています。このような統合運動を行うことによって我が国の最低賃金110 、ドルの賃上げ運動ができるのではないかと期待しています。
 現在、新政権はいろいろな改革を実行しようとしています。特に労働改革も含まれますが、これによって私どもが今まで長年維持してきた権利が奪われるという懸念が生まれています。
 現在、CEOSL が行っている活動には、ドル化政策に対するセミナーというものがあります。これはドル化というものがどういうものかをみんなに知ってもらうために行っています。それと同時に、社会保険に対するいろいろなイベントを行っています。これは政府が国会に対して提出した社会保険改革法案に反対するためのものです。この改革によりますと、年金を受け取るためには労働年数をより長くしなければならなくなり、掛金の支払額も大きくしなければ受け取れないようになります。
 労働改革については、労働組合員の意識強化を行うためにフォーラムやパネルディスカッションを行いました。
 現在、とても深刻な問題として関税の廃止という問題があります。関税を廃止することによって自由に自動車を輸入しようというものです。しかし、このような関税の撤廃が行われると、我が国の労働関係産業に従事している6,000 人以上の労働者が職を失うことになります。
 私どもはそれ以外に、いろいろな社会分野の動員という活動を行っています。これは1月21 日に行われ、前の政権を倒すために社会的な動員をかけました。また5 月1 日、メーデーも統一行動を行っています。