2011年 コロンビアの労働事情

2011年12月9日 講演録

コロンビア労働組合連盟(CTC)
Ms. アイーダ・テレサ・ガルソン・ウレア

 

1. 労働情勢(全般)

 現行の労働法規は経営者側に有利になるように作られている。様々な法改正で、労働時間は増加している。今では残業代、休日出勤手当や夜勤手当も無く、コロンビア労働者の賃金は低下している。これに加えて、有期限(一時)雇用、派遣、会員制労働協同組合、請負契約といった様々な外注形式の契約が認められている。わが国の雇用の安定は過去の遺産となってしまった。こういった不安定な雇用形態では労働者が組合を結成したり組合に加盟したりすることは困難である。労働者の賃金格差や男女間の不平等は益々拡大している。年金に関しては、最新の年金改革で受給開始年齢が上がり払い込み週数期間も増えた。これでは将来、わが国の若者たちは年金受給権を失ってしまう。医療に関しては、あらゆる面で医療サービスの低下がみられ、さらに労働者と経営者が負担している資金(保険料)の運用担当者の汚職が益々増加している。 

2. 労働組合が現在直面している課題

 (1) 労働の柔軟化 
 (2) 若者と女性の参加比率の低さ 
 (3) 労働法制
 (4) 政府と経営者側からの団結権に対する拒絶 
 (5) 労働団体協約交渉に対する経営者側からの拒絶 
 (6) インフォーマル労働 
 (7) 組合活動指導者に対する迫害 

3. 課題解決に向けた取り組み

 ナショナルセンターは男女機会均等を方針化し、あらゆる形態の差別に反対している。特別な行動や教育プログラムで若者や女性の労働者たちを組合の活動や闘争に組み込んでおり、男女平等政策を促進している。また、児童労働の根絶に向けた取り組みで、子供の権利を擁護している。労働組合の結成のための支援や団体交渉権の要求で労働者を組織し、労働者の権利を擁護している。インフォーマルる労働者に対し、組合加盟や組合結成を常に呼びかけ、わが国経済のすべての部門の労働者が組合に加入できるよう組合活動の自己改革に努めている。

4. ナショナルセンターと政府との関係

 CTCは民主的で多元的組織で、政府や政党、雇用者側(経営者側)とは独立した組織であり、常に社会対話を擁護している。CTCは進歩、社会正義のある国造り、民主主義の強化を目標とする社会のあらゆる部門および社会活動組織との戦略的な連携を促進している。 

5. 多国籍企業の進出状況と労使紛争

 経済の全ての部門で、安い人件費と企業に有利な労働法制により多国籍企業の参入が増加している。これらの企業は、団結権を常に侵害し、集団協約(convention)を認めず、集団契約(pact)の締結を促進している。そこで働く労働者の大半は派遣労働者である。さらに、組合活動指導者の身の安全を脅かすような出来事に関わっている者もいる。金融部門(BBVA、HSBC、サンタンデール銀行)では現在、CTCが集団協約交渉に積極的に関わっている。