2005年 コロンビアの労働事情

2005年2月16日 講演録

コロンビア労働組合連盟(CTC)
リリアナ ステラ ダサ

コロンビア金属関連労働組合連盟 財務担当兼女性委員会委員

 

組合の活動

 私が属しているのは、コロンビアのナショナルセンターコロンビア労働組合連盟(CTC)です。このCTCはコロンビアのナショナルセンターの中でも一番古いもので、1935年8月16日にできました。労働者が集まる必要性が出たということで、こういったナショナルセンターが生まれたわけです。CTCは、たくさんの産別組合からなっており、私が属しているのは、フェトラメコルというコロンビア機械金属関連産業の労働組合で、私はその組合の女性担当執行委員をしています。私が女性担当執行委員になったのは最近のことで、前回の組合の全国大会でなりました。私は教育担当の書記とともに憲法やいろいろな法律で規定されている女性の権利を要求するために、いろいろな形での女性の教育セミナーなどを担当しています。
 私どもは、労働組合員のいろいろな利益のためにさまざまな活動をしています。特に、文化関係の活動もしていますし、女性のための日などを設けたり、恋人の日、女性に対する暴力反対の日などの活動も行っています。また、子供の日を設けて、労働組合員の子供たちが家族と一緒にレクリエーション活動をしています。
 フェトラメコル(コロンビア金属機械関連産業労働組合連盟)の傘下にはたくさんの企業が参加する労働組合があり、私が所属しているのはシントラインドゥメコルというコロンビア金属機械産業労働組合で、6つの企業が参加しています。全体で900人ぐらいの組合員がいますが、そのうちの750人は私が所属する矢崎シーメルの職員です。
 私はこのシントラインドゥメコルで会計担当をしています。そしてこの会社は従業員の90%が女性です。私はシントラインドゥメコルの会計担当ということで、執行部の月例会議に参加し、月々の収入・支出を発表し、年間予算を超えないように管理しています。それと同時に、企業の財務管理ということで預金関係の作業、また会計関係の作業を法律に基づいて行っています。お金を出すときには、会計検査の担当と、また組合の会長とともに小切手を切ってお金を管理しています。また労働組合の月例会議にも活発に参加し、企業レベルでどのような問題があるのかを話し合い、その問題に対しての正しい解決策を模索します。必要ならば直接経営側と話し合いを持って、解決策を探ったりもします。そして、年間の予算計画も立て、予算案を総会で承認してもらいます。
 そして矢崎産業シーメルにおいて、私は職場の安全委員会の書記をしています。この安全委員会というのは、経営側と労働側が同じ数の委員で運営している組織ですが、法律によって50人以上の従業員がいる会社では必ず安全委員会を設けなければなりません。そして安全委員会の中で、議事録などの担当をしています。また同僚たちにどのような問題があるかを聞いて、安全関係の管理、また同僚たちの健康に何か悪い問題がないかといったことも調査、話し合いを行います。そして企業に報告し、なるべくいい形で解決できるように意見の意思決定を行います。そしてまた、職業病などの対策としていろいろな対策をこの委員会の中でつくっています。特に女性の保健に関していろいろと気をつけており、特にがん対策を行っています。
 また、従業員の預金制度というものがあり、私は預金基金の会長もしています。これは従業員が預金をして、その預金の基金から融資をするものですが、現在のところは預金しか行われていません。というのも、会社がとても法律面で厳しく、本来ならばもっとたくさんの金額を従業員の給料のほうから天引きしたいのですが、法律的な制限があってそれができないのです。会社も法律に厳しく、最高引き出し額が設定されているため、なかなかたくさんのお金を預金に回すことができません。
 会社は、環境関係のISO14000の承認を受けているので、私どもはほんとうは食堂をつくりたいのですが、会社がISO14000の承認を受けているということでできないでいます。というのも、矢崎の工場は地方にあり、下水処理は独自で行っています。したがって、下水の検査をしたときに、こういった食堂などを使うとひょっとして下水の汚染が起こるということで、もし下水の汚染などが起こるとISOの認可が取り消されてしまうということでできないわけです。その解決策としては、労働組合では食堂でなく食品を売るお店を設け、食品を安く売るということにしました。
 私どもは仕事をしながら組合活動をしなければならないので、あまり活動する時間がありません。また、会社側は生産性の向上なども求めるので、私たち5人がローテーションを組んで、執行部の作業を分担しています。私どもは日本流の生産方式で仕事をしているので、大変厳しいものがあります。

国内の経済・社会状況

 コロンビアの組合員数は120万人で、組合員は3つのナショナルセンター、CTC(労働組合連盟 )、CUT(統一労働連盟)、そしてCGTD(民主労働組合連盟)に属しています。
 組合組織率は5.5%、最低賃金は165ドル、去年のインフレ率は5.5 %でしたが、これは国の貧困の現実を反映してはいません。国が統計資料を支配しているので、インフレ率は1けただと言っていますが、労働組合側では実際のインフレ率は27%あると思っています。したがって、勤労者の購買力は日ごとに落ちてきています。
 そして、医療関係も危機的な状況にあり、病院が閉鎖されたり、国が運営している保健所が閉鎖されたりしています。現在私どもの保健医療関係は大変悪い状態にあり、900万人が医療を受けられないでいます。そして栄養状態も悪くなっており、ニュースによると2日に1人、子供が栄養不足で亡くなるそうです。そして、年間に48万6,000人の女性が望まない妊娠をしており、100人に28人が人工中絶をしています。
 統計庁の資料では、失業率は16%だと言われています。労働力人口が1,730万人ですが、そのうちの50万人は潜在失業状態にあると言われています。そして、労働者の中の10人に8人がパートタイマーか派遣会社から送られてきた労働者です。