2009年 チリの労働事情

2009年9月4日 講演録

チリ中央統一労働組合(CUT)
ラファエル・エドアルド・ウリべ・グテイエレス(Mr. Rafaerl Eduardo Uribe Guiterrez)

ソディマックホームセンター労働組合 副委員長兼CUT第9地区書記長

 

 いまチリでは従来対応してこなかったインフォーマルセクターの労働者、不安定雇用労働者も組み込んで、組織化していく運動が起こっている。
 その他にも、安易な解雇の阻止、最低賃金に関する取り組み、団体交渉の地方分権化、公務員の合理化、人員整理問題などに関する運動にも取り組んでいる。労使関係については、経営側に対し真摯な態度で交渉の席に着くよう求めている。団体交渉は、われわれにとっては唯一経営側と交渉する重要な手段なので、これをもっと拡充していきたいと考えている。そのため、われわれ労働組合は経営者に対抗するものではなく、お互い同じ目標を持って進むパートナーでもあるといった理解を経営者に促進させるよう、課題の1つとして取り組んでいる。
 そのほかにナショナルセンターとして取り組んでいるのは、チリの社会及び国の民主化に向けた基盤、綱領づくりである。民主化は、政治的な民主化だけでなく、社会・連帯の強化も重要である。われわれは、労使対話、労使協議を重要視し、これを強力に進めていこうと考えている。チリの社会及び経済社会でいろいろな変化が起こったとき、それに対応して、必要な労使協議を進めていくことが重要である。
 また、このような協議や話し合いとは別に、政労使の三者がそれぞれの分野の機能を果たしていく役割分担がきちんとなされている。
 チリは非常に天然資源の豊かな国である。特に銅、酒、道路、電気、電話などの分野が多国籍企業によって、発展している。しかし、商業部門や流通部門に関しては、一部の中小企業が競争力向上のために合併し、競争力をつけているが、これまで参入してきた多国籍企業のうち、アメリカのベイプール、ペニー、カルフール(フランス)、ロイヤルティーといった企業のチェーン店は撤退していった。

チリ中央統一労働組合(CUT)
フーリオ・マウリシオ・アラヤ・オリーパ(Mr. Julio Mauricio Araya Oliva)

チリ銅鉱山労働組合 書記長兼CUT青年部全国担当委員

 

 チリには、現在550万人の労働者がおり、そのうちの14%が組織化され、組織労働者の12%が団体交渉権を持っている。
 経済状況について見ると、2009年は第二四半期のインフレ率が12%、失業率は12.9%、労働者の60%が月給480ドル以下の低賃金で働いていた。
 こうした状況を改善するために、われわれは以下のようなことに取り組んでいる。

  1. 政府、企業、労働組合の三者が協力して行う失業対策。
    政府の税制刺激策に基づく資金調達による10万人の新規雇用創出。特に重要なのは、若年層の雇用確保。
  2. 政府、企業、労組による三者合意の取りつけ。
  3. スト発生件数を減少させるために、団体交渉に関する法律を改正。
  4. 組合員の組織の拡大。
  5. 2007年に制定された請負契約、派遣労働者などに関する法律の全面的な適用。
  6. 労働組合運動の価値を普及。
    労働組合運動を発展させるために、労働界だけではなく、社会的にも、政治的にも非常に重要なものとして、その価値を広めていく。
  7. 年金資金の管理の方法、システムに関する改正。
    年金は現在民間部門が資金の運営を行っているが、それに関して公的部門も関与するよう提案している。
 ILOとの共同プロジェクトでは、若年労働者の雇用を増加させる取り組みを行っている。これらの課題の実現に向けて、今後も引き続き、社会対話を拡充していく姿勢でいる。
 すべての労働者のために一つの「提言書」を作成している。この提言書を冊子にして有効に活用したいと考えている。
 最後に、われわれCUTは組織の民主化、組織の拡充を全面的に図っていくために活動していきたいと考えている。