2007年 チリの労働事情

2007年2月7日 講演録

チリ中央統一労働組合(CUT)
エクトル エルナン フェルナンデス ヴァルデス

鉱山労働組合部長兼CUT副書記長

 

 チリの労働力人口は540万人、そのうちの57%しか雇用を得ていない。最近の失業率は6.6%で、これは歴史上最も低い失業率になっている。チリの発展度合いは,アルゼンチンに次ぐ34位と高い地位にあるが、国民の20%の豊かな階層の人がGDPの62.2%を占め、20%の貧しい人たちは僅か3.3%を得ているに過ぎない。
 われわれの組織CUTは政府に対し、また労働運動に対し3つの提案を行っている。第1は雇用システムの問題であり、派遣労働、季節労働者、パートタイム、臨時的雇用者、一時雇用者などの不安定雇用の解消である。
 次に年金と社会保険制度である。年金制度には現在仕事をしている労働者の57%しか加入しておらず、そのうちの50%しか定期的に掛け金を払っていない。つまり47%の人が年金制度に加わらず、一生涯年金を受け取ることが出来ないということになる。年金の掛け金はまず課税対象になる毎月の収入の10%が掛け金になる。また課税対象になる給与の2.5%が生命保険と傷害保険に払われる。年金基金は6つしかなく寡占状態であり、しかも全てが外国資本である。年金の掛け金は天引きされるが、基金に払い込まれていないというような実態もあり、
 極めて大きな問題になっている。事実上年金制度は崩壊した状態にあり、抜本的な改革が求められている。
  チリでは540万人の労働者のうち、基本的な団体交渉権を持っている労働者は8%のみである。増大する臨時雇用の労働者にも適用できるような団体交渉の方法が必要になっている。
  最低賃金は254ドル(月額)であるが、政府の統計によると、必要な最低生活を維持するためには、消費者物価指数などを含めて、月額500ドルは必要だといわれている。したがってわれわれは500ドルを獲得するために闘っている。