2005年チリの労働事情

2005年2月16日 講演録

チリ中央統一労働組合(CUT)
ホルヘ アンドレス ゴメス リザナ

チリ食品産業労働組合連盟 副会長兼CUT青年委員

 

組合の活動

 私のプレゼンテーションですが、2つに分けて行いたいと思います。1つは私の活動について、もう1つは国レベルでの説明です。
 私は食品産業関係の労働組合に属しています。私が直接所属するのがチリ食品産業労働組合連盟、アルコル社のドス・エン・ウノという組合ですが、そちらの会長をしています。全国レベルでは、チリ食品産業労働組合連盟の副会長をしています。
 このコンフェデレーション、組合連盟には食品関係の3つの組織が参加しています。そして私はナショナルセンターCUTのチリ中央統一労働組合でも働いていて、こちらでは組織と青年部に属しています。私は企業内の労働組合では大変活発に使用者側との団体交渉に参加しています。私が組合の中で一番若い幹部と言ってもいいと思います。
 私の国内の組合員総数は、66万9,057人、組合組織率は17.3%、組合数は1万6,987です。そしてナショナルセンターで一番重要な活動は要求活動を行うキャンペーンを張ることです。そして公正なチリというものを求め、政府に対し社会的、経済的な要求を行っています。
 私どもの組合活動ですが、現在企業レベルの、そして産業レベルでの組合の統一を目指しています。そして産業別に、例えばマイニング、鉱業やサービス業、食品工業のようなセクター別に組合をつくろうと考えています。
 我が国の政治事情ですが、2004年にCUTでは全国レベルで幹部の選挙を行い、45人のリーダーを選びました。全国レベルでは2005年に大統領選挙があります。
 次に、組合と政党との関係ですが、この関係は、幹部と政党の個人的な関係と言えます。中にはグループをつくって、支持する政党のために活動する組合員もいます。こういうことをすることにより、労働組合の自治性が保たれると思います。

経済社会情勢

 次に、グローバル化経済の中での経済社会情勢ですが、1977年から2003年のチリの成長率は2.5%でした。今年の成長率は6%以下と予測されます。インフレ率は大体3から4%ですが、沈静化する傾向にあります。
 次に、チリの貧困状態ですが、チリには20%ぐらいの貧困層がいると言われています。そのうちの10%だけが貧困レベルとされている最低レベルの上にいます。4.7%の人は極貧状態です。教育制度ですが、公立、半官半民、民間の教育制度になっています。チリでは教育費がとても高く、1カ月150ドルの学費がかかります。医療関係ですが、国内には民間と公共の2つの医療制度があります。医療関係はとても高いので問題になっています。
 労働力市場ですが、労働力人口は564万9,000人です。失業率は、9月から11月の3カ月で9.4%です。チリではよく労働の柔軟化ということが話されていますが、これに対しては労働組合は反対しています。つまり、このような労働の柔軟化をすると、労働条件が悪くなり、不安定になるからです。チリの最低賃金は、日本円にして2万1,000円ぐらいです。国レベルでの労働条件で、最近よくなったことは労働時間が48時間から45時間に減ったことです。
 次に、失業保険ですが、これは最近始まったばかりです。この失業保険基金は3者でなっており、労働者、企業、政府が出しています。国が拠出している失業保険は、連帯基金と呼ばれています。
 そして医療制度が、医療保険は先ほど高いと申しましたが、これは民間の制度だからです。したがって、私どもは労働組合としてこういった医療制度がより社会的に広まり、私たちが簡単に受けることができるように、もっと安くなるようにということでまとまって行動しています。
 年金については、軍事独裁政権時代にAFPという制度ができたため深刻な問題になっています。というのも、チリ人労働者は、AFPというファンドに一定の給料の割合を入れないといけないからです。労働者のほうが国の基金にお金を拠出しなければならないのですが、お金を払わない人もいます。そしてこの年金制度によって支払える最低の年金額が、日本円にすると1万5,600円になります。
 インフォーマル・セクターで働いているインフォーマル労働者は、13万人ほどいます。これは国民全体の0.1%になります。そして10万人ぐらいの子供たちが児童労働をしているとされており、特に地方で多くなっています。チリには大体18万5,000人の外国人労働者がいますが、そのうちの68%が南米から、残りの32%はほかのところから来ています。68%のうち26%がアルゼンチン人、21%はペルー人、47%がボリビア人です。つまり、50%以上の人たちが近隣諸国から来ていると言えます。