2005年 ブラジルの労働事情

2005年2月16日 講演録

ブラジル労働総同盟(CGT)
ファビアナ デニーズ ヴィエイラ マキシモ

サンパウロ市エネルギー労働組合 財政局次長兼CGT青年委員

 

組合における活動

 私は今現在、代表となって6年になりますが、私が代表する組織は多くの男性従業員で構成されています。そのため、私は年齢が若く、女性であり、執行委員として組合員から信頼を得るためにとても努力をしましたし、多くのことを学び、技能訓練もしてきました。もともと私たちの会社は、エレトロパウロ(サンパウロ州発電社)という会社でしたが、その民営化に伴い4つの会社―― 送電、発電、配電は2社――に分かれました。その中で、2万2,000人いた従業員が7,000人に削減、縮小されてしまいました。さまざまな場所に散らばっているために、私は40カ所の工場―17の市にまたがっているので、労働者との話し合いを行うため、私は1日平均400キロメートルを走り回っています。朝6時から夕方6時までの仕事の中で、8日間で全員の労働者と話し合いをすることができます。
 執行委員としての私の活動は、労働者と企業との協議を行うことです。その内容としては個人的な問題や組織的な問題、さらに社会、福利厚生の問題も扱っています。ほかには休暇、医療、大学との提携などの問題も扱っています。常に労働、安全、衛生をチェックしています。個人安全器具や工場全体の安全器具が適切につけられているか、罰則制が合法であるかどうか、労働者のミスなのか会社のミスなのかなどを調べたりもしています。さらに私は弁護士の資格を持っているので、法律的な手段の手助けも行っています。常に組合の方針に目を向けていなければなりません。それは私が唯一の女性執行委員であり、直接・間接的に委員会の決断に携わっているからです。
 ナショナルセンターの中では、私は若者、女性、文化の分野で活動しています。今現在私のナショナルセンターでは、特に私の働いている分野の中で若者たちを組織化するための取り組みを行っています。今年7月から9月に向けて、若者の総動員をする予定です。

ブラジル中央統一労働組合(CUT)
アリ アロランド ド ナシメント

ブラジル中央統一労働組合 財政担当兼執行委員

 

組織での活動

 私は1986年から金融関係の仕事をしており、ポルトアレグレ市のバンコ・ブラデスコの従業員です。その市で私が執行委員を務めています。私はその組織から出向して、2003年5月からサンパウロ州に在住し、CUTナショナルセンターの第1財務担当をしています。銀行と組合からの許可を得て、今現在はナショナルセンターでの仕事に従事しています。現在ナショナルセンターの活動に専念しているために、私の直接の組織である金融関係には携わっていません。今現在は、第1財務を担当しています。
 私は現在CUTに加盟しているので、ナショナルレベルでの活動をナショナルセンターの方針に基づいて進めています。今、国際的なプロジェクトは、CUTの労働者とオランダ、ドイツの労働者との協力関係のプロジェクトです。このプロジェクトは多国籍企業――ブラジル、オランダ、ドイツの企業がプラント設立に当たっての行動を監視することです。それは例えば、健康問題、保険、労使、賃金、人種などについての問題を研究しています。もう一つは、ナショナルセンターの憲法委員会で、労働者補足年金についての勉強会にも参加しています。さらに、ナショナルセンターで促進している協同組合についてのプログラムにも参加しています。そのプロジェクトは多くの結果を出しています。例を挙げると、企業が倒産したときに、会社の従業員たちで協同組合をつくっていくというものです。もう一つは、ほかのメンバーとともに、国家レベルで今大変大きく話題になっている税制改正問題にも関係しています。
 さらに、我々が大変大きな関心を持っている内容は、賃金交渉の問題に対してです。金融、石油、鉄鋼、公務員などの賃金の動向にはとても大きな関心があります。それはその交渉によってほかの部門に大きな影響を与えるからです。もう一つ大きな問題で、我々が大変大きな関心を注いでいるのは、最低賃金のディベートについてです。ブラジルはメルコスールのほかの国々と比べますと、最低賃金の額がとても低いという大きな問題を抱えています。この問題がブラジルにとってとても重要なのは、多くの人たちが最低賃金で生活を営まなければいけないわけです。例えば年金者、定年者もその年金で生活を営まなければいけないからです。
 私は、財務担当なので管理、コントロールをしなければならず、私の部署ではいつもさまざまな議論が行われます。要するに、私たちは予算の中でどの部署にプライオリティーを置くのかなどを話し合わなければいけないからです。私たちの部署の中では、お金を使う部署とお金をコントロールする部署があると話しています。ですから、その中で経理上運営するというのはとても大変なことです。私たちのナショナルセンターはとても大きなナショナルセンターなので、それをコントロールするのはとても大変です。私の仕事は、朝の7時半から始まり、夜の7時あるいは8時ごろまで仕事をしています。それで家に仕事を持ち帰る必要はなく、その時間内で作業を進めています。

労働組合の力(FS)ブラジル
モニカ デ オリベイラ ローレンソ

金属機械機器電機産業労働組合 事務局長兼FS青年委員

 

若年労働者への取り組み

 私はFSの事務局長であり、その前はDIEESE――労働組合の研究機関ですが、その代表をしており、また、WFCOブラジル部局の女性問題の副会長でもありました。今回、私が現在行っている若者に向けての組合の対策についてお話ししたいと思っています。
 FSの考えとしては、社会を変えるのは若者だということです。長い間、ブラジルの労働組合運動では、社会の中に多く存在する若者層には目を向けてきませんでした。その問題に対し、私たちの活動は3つの部門で構成されています。その1つは、アクションプランを提示し、働いている若者を組織化するだけでなく、我々の関連しているほかのセクター、つまりN GO、学生運動やコミュニティーなどでも組織化を図ることです。ブラジルの若者の現状を調査、研究し、青少年が活発に国家の政策に参加できるように、若者たちが活動を行うためのスペースを設け、彼らの意見を出し合える環境をつくることです。組織としては児童労働問題のフォーラム、国内外の委員会に参加してILOが提唱する138号条約と182号条約を批准するために、ブラジルが適用できるように法律を改正する働きかけを行ったとともに、ブラジルの中の児童国家対策プランの改正にも携わっています。
 FSの社会活動の中では、社会的に環境の悪い状況にいる児童、青少年と直接面談を行い、社会復帰、市民権を取得するべく、インフォーマルな教育活動を行い、社会・家庭支援を行っています。この運動はエメリン・アソシエーションを通じて、児童少年に向けた活動を行い、IDB(米州開発銀行)から南米で児童労働防止のよい実践として評価されました。さらに多くの場所で学べるという評を受けて、ユニセフ・イタウから表彰されました。
 若者労働者に向けた労働組合運動として、私たちは教育活動、組織キャンペーン、ネットワークづくりをし、委員会、コミッション、フォーラムなどに向けて代表やグループを構成し、それぞれのテーマを通じて、若者が中心となって定期的にディスカッションを行っています。年に1回青年会合を開き、決まったテーマ、例えば教育、労働市場、健康、社会参加などについてディスカッションを行います。1996年から実施しているナショナル・キャンペーンは最初の仕事を評価するというものです。私たちが行うセミナーで集約した意見は、ナショナルレベル、州レベルの年間計画の中に反映されるので、若者を代表する組織となっています。
 さらに文化的活動として若者を集めるために、広場や劇場にアーチストを招いて、若者の関心を集めるテーマで会合を開きます。例えば、民主主義のために若者を、あるいは組織化のためのICFTU世界キャンペーン協力、もう一つはナショナル・ラジオ・ロックの協力を得て平和のための集会を行いました。
 教育活動は2本の柱で行われています。1つはナショナルセンターで行われている組織の運動セミナー、もう1つは推薦される若者たちを受け入れてもらえるようにほかの組織で教育を行うものです。それは外部にある教育機関に対し、私たちが一定の若者を受け入れてくれるよう働きかけをするものです。さらに技能習得のために、コペ・プログラム――最初の仕事へ就くときのオリエンテーションですが、技能訓練を行い、若者のモチベーションをつくり上げるところで、ここでは若者たちの疑問に答えたり、本人の職業を選ぶ手助けを行ったり、本人の人生設計に役立てることができます。ですから、そのような活動を行いながら最初の仕事を選ぶときの手助けをしています。
 最後に、労働組合活動の中で若者の問題はあまり重視されていないので、もっと重視しなければならないと思います。国内外に若者が積極的に参加できる場所を多く開いていく必要があると思います。現在は、将来の労働力となる若者たちが参加できる、参加しているスペースが十分ではないと思います。若者の参加が少ないと、我々の労働組合の運動が脅かされてしまうというおそれもあります。労働組合全体の課題として若者の問題は取り上げられていないので、我々労働者の闘いはまだ十分ではなく、若者をもっと取り入れなければいけないと思っています。