2010年 アルゼンチンの労働事情

2011年2月18日 講演録

アルゼンチン労働総同盟(CGT)
アナイ デル バジェ メディナ(Ms. Anahi del Valle Medina)

CGT国際局ディーセントワーク担当兼技術顧問

ホルヘ エンリケ サラサール(Mr. Jorge Enrique Salazar)
アルゼンチン建設労働組合(UOCRA)第二執行委員

 

1.労働事情(全般)

 アルゼンチンでは、失業率が2009年の8.4%から2010年12月には7.5%に低下した。労働組合の組織率は約63%と非常に高い。主に産業別に労働協約を締結しており、一部では企業ごとに締結する例もある。CGTでは、産業別に労使交渉を行う機会があり、この年次交渉は日本の春闘に似ている。ただし、日本ほどフォーマルで広く浸透しているものではない。
 最低賃金は、月額1840ペソ(約460米ドル)となっている。これは登録されている全ての労働者に適用されるもので、労働組合に加入し労働協約の対象になっている人たちの労働条件はもっと良いものとなっている。

2.労働組合が現在直面している課題

 労働組合の課題はたくさんあるが、[1]労働における基本的原則および権利の擁護、[2]ディーセントワークの推進、[3]雇用の維持と拡大、[4]現在のインフレに対する賃金の引き上げ、[5]労働者の技能の向上と教育レベルの向上、[6]職場の健康と安全に関する適切な保護 [7]インフォーマル・セクターの労働及び登録されていない労働との戦い、[8]労働条件を向上させるための労働協約の内容の改善・拡大、[9]児童労働の撲滅等である。

3.課題解決に向けた取り組み

 以上の多くの課題を解決するため、CGTは政労使の三者構成による社会対話が有効な手段になると考えている。経済社会開発審議会を制度化し、その中で課題を解決していきたいと考えている。

4.ナショナルセンターと政府との関係

 CGTと政府は相互に尊敬する関係にあり、大変スムーズに対話が行われている。その対話によって労働者にとって重要な進展があったと考えている。しかし、すべての面で合意が得られたわけではなく、部分的には労働争議に至ることもある。現在、CGTは政府にとっても重要な機関となっている。

5.多国籍企業の進出と労使紛争の状況

 残念ながら一部の多国籍企業は、その本国で採用している基準をアルゼンチンで採用していない。また、環境や天然資源の保護に対する配慮に欠けているという問題もある。これらの企業の多くは寡占体制となっている。