2008年 ニカラグアの労働事情

2008年11月12日 講演録

サンディスタ中央組合(CST
ダリーラ デル カルメン アレマン ガルシア

 

 ニカラグアの労働事情は、非常に複雑でまた難しい状況にある。労働法規や職業衛生安全法などの関連法で定められている労働法が侵害されることが多く、あまり良好だとは言えない。特に、フリーゾーン(経済特区)にある企業による労働法の侵害が多い。労働組合は、労働者の安全など労働の権利を守るために常に闘っている。
 1月に発足した新政権のもとで多くの労働争議が起っている。16年間にわたりニカラグアではネオリベラルな政権が続いているが、その歴史の中で労働組合運動は分裂を繰り返してきた。その中で他組織との連携と共闘に努力をはらってきている。失業、低賃金、社会保障制度に対するさまざまな不当行為、労使関係においての不当行為、労働組合の自由を侵害するさまざまな行為などに対しての共闘である。そして、労働者の権利に対する侵害は、特に免税地域の民間部門においても頻発している。
 ニカラグアでは、外国への出稼ぎ労働者が多く、その労働者たちへのフォローアップも他の国の労働組織(特にコスタリカCTRN)との連携で行っている。
 また、労働者の賃金を守ることも重要で、われわれは賃金の改正を求めているが、まだ十分に生活費を賄えるだけの賃金水準には達するような回答を得られていない。半年ごとに賃金検討会議が開かれ、CSTも参加し賃金水準向上の提案を続けている。この2年でやや上昇しているが、まだまだ十分な額ではない。今度の国会で労働法案が提案されるが、労働者の権利保護をどのように反映させるか考えなければならない。特に派遣労働者の保護を重点にした政策を考える必要があると考えている。
 その他の課題としては、労使関係の改善・労使関係の強化があげられる。労働の権利を守るためにより良い手段を持って対抗できるよう、組合の指導者を技術的専門的に養成する必要がある。この2年の間にさまざまな労働関係法制の改正があり、CSTは新法に関する提案を行ってきたが、その中で承認された法律には、公務員法、労働審議会法、労働安全衛生法などがある。2ヶ月前にも、労働裁判法が承認された。そして、三者間での連携、意思の疎通をより良くするために、われわれは労働問題会議を作ること、そして三者構成の保税地域国営会社、経済社会計画審議会などを作ることも提案している。そして、政府もその提案を受け入れ、われわれの貢献も実を結びつつある。また政府の政策として、雇用問題にも積極的に努力が払われるようになり、国民の特に労働人口の大半を占める失業者の対策にも力が入れられるようになってきている。
 そして、労働組合運動のリーダー育成、特に労働者保護や安全衛生管理者の資格を持つ人の育成を通じて、政府と労働組合、また三者構成のさまざまな場面での労働組合の立場が近年強められているものと思っている。それをベースに、さまざまな産別の中でも教育者訓練担当者チームを組織し、講師は自分たちの経験をもとに新たなリーダーを育成し、産別、単組においてリーダー育成活動を強化していくことをしている。特に労働者保護、安全衛生管理者の育成は、ニカラグアにある大学の協力を得て行っている。
 CSTと政府の見解は一致しているが、その中でも労働組合として労働者の権利を求める闘いをわれわれは続けている。