2004年 ニカラグアの労働事情

2004年6月30日 講演録

ニカラグア労働組合中央組織(CST)
コンセプシオン デ ロス アンヘレス グスマン

チョンタレス県労働組合連合 事務局長兼CST青年担当

 

 ニカラグア労働組合中央組織(CST)の加盟人員数は4万人で、その内の2万3,000人が男性、1万7,000人が女性です。CSTには4つの中央組織(コンフェデレーション)が統合して設立された組織があり、23の全国レベルでの連盟(フェデレーション、)そして県レベルで9つの連盟(フェデレーション)があります。
 私はCSTの全国執行部の中で青年問題を担当しています。また、チョンタレス県ではその労働組合連合の事務局長をしています。事務局長として特に組合員の法律面での支援をしています。私は弁護士ですが、いろいろな法律の中で特に労働法関係が一番好きです。組合員が労働関係の問題を抱えた場合には、行政機関や司法機関との関係で加盟組合員を支援しています。新たな組合がチョンタレス県労働組合連合に加盟を希望する場合には、加盟を支援し、調整活動を行います。加盟組合がさまざまな要求事項を作成する場合にも様々な助言活動を行います。団体協約の交渉を行うときにも私がアドバイザーとして参加しています。
 ニカラグアでは労働者および労働組合に対して大きな圧力がかかっています。前政権は大量解雇を行いました。このような事態を導いたのは、国際的な金融機関である世界銀行や国際通貨基金(IMF)がニカラグアの経済政策に対して介入してきたからです。国際金融機関は政府に対して小さな政府をつくるように提言してきました。その政策により、失業者がより増えました。また、国際金融機関は社会保険庁の民営化を勧めています。本年9月には新たな年金基金が開設されることになっています。このようなことになると、今まで享受していた社会保険の恩恵を労働者が受けられなくなってしまいます。そして、労働法の改正も行われようとしています。労働法の改正では36項目に上って条項を改正しようとしています。
 ニカラグアの大きな問題は、国の4つの機関すべてに汚職がはびこっていることです。汚職がはびこっているために、労働者や国民が政府機関に対して色々な手続きをするときにさまざまな問題が発生し、なかなか手続きが進みません。
 これまでアメリカとの自由貿易協定について言及した方がいましたが、今の形の自由貿易協定はより多くの失業者を生みます。ニカラグアの失業率は労働者の60%と言われています。このような雇用状況の中、労働者は国内では仕事が見つからないためにコスタリカやアメリカに仕事を求めて出ていきます。
 ニカラグアの労働組合はこういった政府の政策と闘っています。特に、政府の国際金融機関に対する従属的な政策に対して労働組合は闘っています。マスコミなどを通じてご存じだと思いますが、ニカラグアではいろいろなところでストが頻発し、職場や街頭でデモ行動が行われています。労働組合は既に議会と交渉を始め、自由貿易協定を批准しないように影響力を行使しています。今のところ議員から協力の約束を取りつけていますが、議員が約束を守ってくれるように祈るだけです。