2000年 メキシコの労働事情

2000年7月19日 講演録

セサール・カバソス・カバジェロ
メキシコガス・関連産業労働組合書記長

 

 CTM には600 万人のメンバーがいて、いろいろな労働界を代表する機関、労働会議を主宰しています。
 メキシコには1994 年に大規模な金融危機がありましたが、この2 年間のメキシコ経済は非常に安定しています。労働者の給料については私どもが望むほどは満足できる状況ではありませんが、経済が回復するに従って段階的に給料もよくなってきています。
 そして、CTM の政治面での活動ですが、現在、CTM 出身の正規下院議員が14 人と16人の代理議員がいます。そして上院には6 人の正規議員と8 人の代理議員を出しており、全国の州議会や地方自治体の議会にくまなく、私どもの組合に所属するメンバーの議員がおります。政治的には最近大きな変化がありました。これは1 カ月にもならないのですが、大統領選が行われ、今まで政権をとっていなかった野党から大統領がでました。しかし、上・下院では引き続き既存の政党の力が強い状況です。このような状況なので、多分政府と議会の間、特に大統領と議会の間で大きな駆け引きが行われるのではないかと思っています。
 労働界も、最近は落ち着いた状況が続いていると言えます。これは労働界のリーダーと経営側と政府との間で対話が行われているからだと思います。一部には対立もありますが一般的に労働界は安定していると言えます。
 もちろん街頭での抗議行動もありますがこれは政治団体の抗議行動であったり、大きな労働組合に属していない団体や、労働組合とは全く関係のない団体が行っているものです。
 私どもの一般的な目的は、メキシコの労働者の統一を図ることにあります。この点では3つのことが挙げられると思います。1 番目に雇用の拡大です。経済の拡大に合わせた雇用の拡大を目指しています。現在、メキシコには外国の企業が多数進出していますので、これも雇用の拡大につながるのではないかと思っています。
 2 番目の活動は生産性向上です。生産性向上については企業側も労働者側も、これはよい活動なんだと自覚する必要があると思います。生産性が上がれば品質も上がって、企業は製品をたくさん売ることができ、最終的には労働者の賃金が上がります。
 そして3 つ目の活動ですが、我が国のインフレ率を考慮した賃上げがあります。この賃上げは、私どもが日々行っている闘いの1 つですが、労働者が働いた分だけきちんと給料を受け取るという闘いは、労働運動の重要な面だと思っています。2 番目、3 番目の目的を達するために次のようなことを努力しています。雇用を増やして外国投資を呼び込むためには、まず我が国への投資というものが魅力的でなければいけません。このためには、もちろん労働者の権利というものを放棄して行ってはいけませんし、メキシコの労働組合との間で団体協約を結ぶ必要があると思っています。