2004年 ホンジュラスの労働事情

2004年6月30日 講演録

ホンジュラス労働組合連盟(CTH)
ホセ アルフレド ヒメネス ヌニェス

ホンジュラス・スタンダード・フルーツ統一労働組合 諮問担当執行委員

 

 バナナ生産が中心のホンジュラス・スタンダード・フルーツ統一労働組合の執行委員をしております。この労働組合はナショナルセンターであるホンジュラス労働組合連盟(CTH)に加盟しています。CTHは2つのナショナルセンターが合併して結成されました。1つは公共部門の労働組合、もう1つは民間部門の労働組合が合併して結成されました。CTHには教育機関があり、そこで私自身も教育を受けましたし、ほかの労働者にも教育と訓練を行っています。CTHの教育担当者は各労働組合を訪れて労働法、集団雇用契約、規約などについて教育を行っています。
 私が直接所属している労働組合はドールという会社の子会社、スタンダード・フルーツ社の労働組合です。この労働組合で財政・会計を担当する執行委員をしています。このスタンダード・フルーツ社の労働組合は2つの部門に分かれており、1つは港湾部門で、カスティーヤとコルテスという港の労働者たちです。2つ目はコヨーレスというところのバナナ生産部門の労働者で、同時に病院の労働者もこの部門に入ります。この2つの部門には合わせて13の職場があります。労働組合員の教育活動や会計の仕事をしていないときは、スタンダード・フルーツ社の一般的な仕事をしています。私の担当は殺虫剤の管理をする部署で、環境に非常に重要な位置を占めているISO14000の基準の監督なども行っています。この件に関しては、なぜ自由貿易協定に反対しているのかということの説明も含め、後でもう少し詳しくお話しします。
 ホンジュラスも含め中米諸国の政府は大きな負債を抱えています。それはもっぱら政府の汚職が原因で積み重ねられた負債です。そういった中で国民への搾取が行われており、できるだけ自分たちを肥え太らせるためにたくさんの税金を国民に課すような仕組みになっています。税金としては、1ガロン3ドルのガソリンのうちの1ドルが税金に相当し、販売税が12%かかります。国民はもうこれ以上ないというほどの税金に苦しめられています。そういった中で毎週のように道路の封鎖や国会の封鎖、大統領府へのデモや封鎖などが行われていますし、また、森林破壊に反対するデモなども行われています。今、この森林破壊がホンジュラスでは大きな問題になっています。自由貿易協定などでホンジュラスに進出してきた企業が森林を次々と伐採し、環境を破壊しているとして、それに反対する運動が強まっています。
 そういう中で、労働組合はネオリベラル的な流れに反対し、また自由貿易協定についても、もしそれが平等な条件で結ばれるものでないならば反対するという立場をとっています。もし平等な条件で結ばれないのであれば、ホンジュラスの労働者は排除されていってしまうと危惧されるからです。
 また、ホンジュラスの労働組合は、世界のグローバル化、経済のグローバル化、自由市場万能主義にも反対しています。こうした流れの中で、人間が人間として見られていない、物として見られている、そういう危惧を抱いています。色々ある中でも深刻な問題は、国内の法律が守られていない問題です。いわゆるラテンアメリカ労働法と呼ばれるもの、私にはどういうものだかははっきりわからないのですが、そのような労働法があると言われているからです。そういったラテンアメリカ労働法は労働組合のない企業の労働者に対して企業が強いている労働条件だと思われます。
 そういった中で、中米、カリブ、メキシコといった国々の労働組合運動が力を合わせて、明確な目標、共通の目標を持っていけば、その道のりは平坦なものではなくても、何か変えるための一歩が踏み出せるのではないかと思います。労働組合運動というものは、ほかの国でもそうだと思いますが、私の国にとっては非常に重要な運動です。そして、その原則というものをとても大切にしていますし、ホンジュラス、それから中米諸国の国々をよりよいものにするために、私たちの労働組合運動は非常に重要な役割を担っていると思います。何かを変えるための最初の行動を起こすのは労働組合運動だと私たちは思っています。そういった中で自分たちの努力が実り、例えば、アメリカが平等な条件でそういった貿易協定を結ぶことができたら、それはとても大きな勝利だと思います。
 ホンジュラス労働組合連盟(CTH)の書記長は女性です。政府を締めつけようじゃないかとよく言っています。そういう強いことを言う女性書記長です。