2001年 エルサルバドルの労働事情

2001年7月12日 講演録

フリオセサールフロレス
建設関連産業労働組合書記長

 

国内の状況

 今年の6月にFS21という新しい組織ができました。これは21世紀労働組合連合という名前の新しい組織ですが、私はその書記長をしています。
 国内状況はほかの中米の状況と大変似ていると思います。エルサルバドルでは自由に労働組合をつくる権利が抑圧されています。労働法や憲法では、だれもが自由に労働組合に参加できることになっていますが、公共部門の労働者や輸出加工区(EPZ)の労働者は自由に労働組合をつくることができません。そして我が国でも世界的な流れに従って、国営企業の民営化が行われています。例えば通 信関係とか電力などが民営化されました。民営化によって以前は安くて良いサービスを受けられていた国民が、今度はもっと高くて悪いサービスしか受けられなくなり、この民営化というのは国民にとって悪い結果 になっています。
 我が国でもILOの勧告に従って、政労使代表から成る三者構成組織がつくられてはいますが、この三者組織はきちんと機能していません。というのも、経営側に味方をするような、経営者から送られた労働組合代表が送り込まれており、三者構成とは言いながら実際は労働者と、政府・使用者側との二者対立という構造になっています。現在政府と民間の企業は労働市場の柔軟化、規制緩和を行おうとしています。そしてこの柔軟化や規制緩和というのを労働法の中にも入れようとしています。この柔軟性という概念が、日本にあるような柔軟性という概念とは全く違ったものです。この柔軟性というのは、我が国では労働者の権利を剥奪するような柔軟化のプロセスがとられています。私たち労働者はほんのわずかしか権利を持っていませんが、そういったものを取り上げようという柔軟化なのです。そして現在、民間の企業や政府は自由貿易協定を通 じて無差別に市場の開放のプロセスを推進しようとしています。しかしこのプロセスに労働者の参加は全くありませんし、労働者の支援を得ているものでもありません。

CTDの活動方針

 1.CTDに参加している労働組合員から組合費を徴収する。我が国には組合費を払うという文化がありません。というのも内戦の間、我が国は外国からの支援を多く受けていました。そのため、CTDの傘下にある組織も、外国からの支援を受けていて、給料から組合費を払うという考えがありません。ただ、1カ月にそれぞれの労働組合は10ドルを中央組織に払っています。
 2.労働組合の組織をまとめることです。我が国にはたくさんの労働組合があり、中央組織を名乗る組織もたくさんあります。それぞれが好き勝手なことをしていて統一がとれていません。今年のメーデーに向けて、いろいろな中央組織や労働組合が統一行動をとろうということになり、デモ行進をしました。このときには4万人以上の労働者がデモ行進に参加しました。民間の企業や政府は、労働者がこんなにまとまる力があったのかということで驚いていました。政府や民間企業では、労働組合の統一活動が盛んになるのではないかという懸念が生まれています。
 私どもには12年間に及ぶ内戦がありました。労働運動のリーダーを含む7万5,000人の命が奪われました。