2000年 エルサルバドルの労働事情

2000年7月19日 講演録

カルロス・マラビージャ・カルバージョ
アカベ社労働組合組織担当

 

政治・経済・社会の現状

 我が国の労働組合運動は、最近弱まってきています。これは政府の経済政策が原因だと思います。政府は現在、ネオリベラル政策をとっています。そして、政府は私どもの人権を尊重していません。もちろん私ども労働者の権利などというものはほとんど尊重されないでいます。
 1994 年より公益企業の民営化プロセスが進んできました。特に民営化は通信分野で行われていますが、政府も企業側もこういった民営化によって起こる失業に対する政策をとろうとはしません。私どものナショナルセンターのリーダーや組合員もたくさん失業しました。

労働組合を取り巻く現状

 エルサルバドルでは、組合員になることは民間企業の利益を侵害する行為だと考えられています。というのはわが国の、金持ちがより金持ちになり、貧乏人がより貧乏になるという構造に私どもが反対しているからです。労働組合運動を行っているリーダーの中には、自分の利益だけを求めて行っている人がいます。政府や企業側は、このような運動を自分たちに都合のいいように利用しようとしてます。政府や経営側の人間は外国に行くと「エルサルバドルでは労働組合の権利が守られている」と主張しますが、国内では労働組合の権利はおろか、人権も守られておらず、もちろん労働者の権利も守られていません。
 労働組合の基盤を損なう要因の1 つに、経済的な支援がないということが挙げられます。例えば我が国の最低賃金ですが、4年間上がっていませんし、今後2 年間も上がることはないと思います。最低賃金というのは、組合に加入していない人たちのほとんどが受け取っている給料だと思います。こういった状況から、労働組合やナショナルセンターが受け取る組合費というのもとても低くなっています。これが我が国の一般的な状況です。

CTDの目標

 私どもナショナルセンター、エルサルバドル民主労働者センターの目標はエルサルバドルの労働組合の結束の強化にあります。1999年10 月に多くの労働組合やナショナルセンターがこれから統一行動をとろうではないかと意見の一致を見ました。これは今までの労働運動の大きな成果だと言えます。この結束運動の一番重要な目的は、我が国の労働組合の運動を強化・統合していくということです。このようなまとまった行動をすることによって、私たちははっきりとした提案を政府や企業側に行い、私どもの提案を政府や企業側が聞くようにすることです。私どもがこのようにしてまとまった行動をすれば、必ず勝利がもたらされると思っています。
 具体的な活動の1 つに、いろいろな単組、産別やナショナルセンターに統一行動を呼びかけたことがありますこれは5 月1 日、メーデーで行われました。この統一行動で、エルサルバドルの国会に対して提案を行いました。この提案により、人権を守るように、労働者の権利を守るように要請しました。そして、私どもはCSTS と呼ばれるエルサルバドル労働者組合調整機関という組織をつくりました。このCSTS の運動はICFTU-ORIT の支援も受けております。