2002年 コスタリカの労働事情

2002年7月3日 講演録

コスタリカRerumNovarum労働組合同盟(CTRN)
タイロン エスナ モンテロ

石油・化学労働組合 パディージャビル労働厚生委員会コーディネーター

 

国内の状況

 コスタリカの経済、政治、社会状況が、労働組合運動にどういう影響を与えているかを説明します。現在、政府の中に労働組合運動をつぶそうとする動きがあります。
 1993年、ILOは、CTRNや他の労働組合の要請に基づいて、コスタリカ政府に対する勧告をを行いました。2001年にはコスタリカが既に批准しているILO87号条約と98号条約を侵害しているという強い訴えが国内に上がりました。
 コスタリカは、自由な労働組合活動を制限している疑いのある25カ国の中に含まれています。憲法60条と62条、および労働法で保証されている自由な団体交渉が制限されています。
 ネオ・リベラリズムの政策やグローバリゼーションが進むにつれて、労働運動が抑制されています。特に、民間企業では団体交渉ができなくなっています。コスタリカでは、ほとんどの企業が公共部門に属する企業です。公共部門での団体協約は35年以上前に労働者が勝ち取った権利ですが、その重要な項目が削除されてきています。経済分野ではインフレが賃金の上昇率を上回っています。1980年以来、賃金引き上げに関する政府の政令があり、引き上げは物価上昇率を下回るものであり、コスタリカ人の賃金水準はますます低くなって、貧困層が増えています。
 社会分野では、民営化の動きがあります。コスタリカ・エルセと呼ばれるコスタリカ電力通信公社の民営化に関する公共電力通信サービス改善法案が国会に提出されましたが、CTRNは法案反対運動を展開し、法案通過を阻止しました。これは、過去50年間の出来事の中でも最も重要な出来事だったと言えます。
 このように、民営化の動きと並行して貿易自由化の動きがあります。貿易自由化により、失業、社会問題、破壊行為、貧困などの問題の悪化が懸念されています。

石油・化学産業労働組合の活動方針

 まず1つは組合員が教育訓練を通じて、社会、政治、技術、専門職、コミュニケーションのプロセスで組合意識を強めていく活動です。
 次に、これは中期目標ですが、教育プロセスを通じて組合活動の構造を近代化、民主化して、社会政治活動に対する石油・化学産業労働組合(シトラペキア)の組合員や幹部への意識付けを行い、全体的に強い責任感を持たせるようにする目標です。
 以上の目標を達成するためにどのような活動をしてきたかということです。石油・化学産業労働組合はコスタリカ国立大学労働研究所と協定して、執行委員や労働者の代表に社会管理プログラムの講習を行いました。この講習では、リーダーシップや団体協約、労働組合の歴史、コミュニケーション、グループ作業などを学びました。このプロジェクトは労働組合の中の教育プロセスを変えるための刺激策として、まず14人からなるグループで始めました。
 最後に、コスタリカはグローバリゼーション、民営化、フレックス化、規制緩和、貿易自由化によって大きな影響を受けてます。
 貿易協定による恩恵はほとんどありません。交渉の前提条件が不公平で、協定を結ぶ国とコスタリカの間との社会経済水準が大きく違うためです。技術や資本、その他の重要な項目でコスタリカとその他の国々との間に格差があるからだと思います。IDB(米州開発銀行)の2001年9月の報告書によると、先進諸国と発展途上国との間には一世紀の距離があるとしています。CTRNや石油・化学労働組合の課題はたくさんあります。特に、コスタリカを含めて世界の若者の役割は益々重要になると思っています。
 CTRNは、1945年5月1日に設立されました。1991年8月24日には3つの労働組合センターが統合されて新たな組織が設立されました。
 CTRNには99の労働組合が所属しています。組合員数は5万6,722人です。国民の人口は367万8,000人です。労働組合加盟数は538です。コスタリカではCTRN以外にCUT、CTCR、CMTC、CCTDというナショナルセンターがあります。コスタリカでは、なかなか団体協約が結べない状況で、現在は18の協約が締結されているに過ぎません。
 CTRNの女性の幹部数は23人です。若者の率は、41.37%です。