1999年 コスタリカの労働事情

1999年6月30日 講演録

コスタリカ中央銀行従業員労働組合
リセッテ・ロチャ

女性コーディネーター

 

コスタリカの概要

 コスタリカは中米に位置していて、面積は5万900平方キロメートル、人口は334万909人です。政府は典型的な共和国政府で、行政、立法、司法の三権があります。近年、行政権が非常に強くなったために、大統領のみが力をもっていて、ほかの権力はその配下に入ってしまったようです。1つ例外があって、これは今、第四権と呼ばれていますが、選挙最高裁判所というところは例外となっています。
 大統領は閣僚、自治体、それから半自治体の首長とともに行政権を構成します。57人の共和国第一権力立法会議と呼ばれる議員の人たちと18人の司法官が最高裁判所を構成していて、最高裁判所はいろいろな法廷に分かれています。第4法廷と呼ばれる憲法法廷は近年重要性を増しています。憲法で保護された権利を侵害されたと申し立てに行くコスタリカ人が非常にふえているからです。
 1998年7月現在の人口は334万909人です。そのうち50.1%が男性で、49.9%が女性です。労働人口は137万6,540人です。これは全人口の41.2%を占めます。この労働人口のうち69.9%が男性で、当然、残り31.1%が女性です。仕事についている人たちは130万人で、失業者は7万6,535人です。つまり、実質失業率は5.60%となります。政府は、政治家の人たちは、この失業率はアメリカ大陸でも最も低い数値の一つであって、コスタリカはそれゆえ有利な立場、恵まれた立場にいると考えています。しかし、労働運動の側からみると、公式な統計を計算するために政府が使う数値には十分な信頼に値しないものもあると考えられます。

労働組合権の侵害との闘い

 労働力と労働組合の関係についてです。コスタリカの現行法制では、労働者は協同組合、職業連盟、共済組合、連帯組織、そして労働組合などに参加することができます。しかし、近年、組織化をする上での困難がふえています。憲法や労働法、またILOの87号、及び98号の協定の批准で労働者の組織権が認められているにもかかわらず、民間企業からの迫害は続いています。民営化のプロセスにある国営企業も同様に、解雇が行われたり、労働組合加盟者がブラックリストに載せられたり、不当労働行為が行われ、また労使協定が結ばれている会社でもそれが侵害されたりしています。
 労働社会保険省の中の労働計画局が1998年9月に行った労働組合に関する調査では、コスタリカには現在387の活動中の労働組合があります。この387の労働組合に加盟している労働者の数18万3,821人で、これは1998年7月の国勢調査による、仕事をもっている人口130万人のうちの14.1%を占めるものです。このデータからは労働組合の組織率の低さというのははっきりわかりませんが、例えば商業と建設の部門で組織率は1%になっています。コスタリカの民間企業で、今後の労働組合運動にとって非常に懸念される数値です。私の組合が加盟しているコスタリカ労働組合連盟が西暦2000年を迎えるに当たって提案する目的は、公共部門における労働組合を維持することです。また同時に民間部門、農業においても組合運動を促進し、人権と労働組合運動の権利の尊重を獲得していくつもりです。労働者階級に対するサービスも変化しており、これも懸案事項となっています。経営者側はより多くの利益を得るために効率や生産性に変化をもたらしています。そういう効率や生産性を求める手段を変更する、つまり、経営者が労働者の搾取を考えて、外国の搾取モデルを導入しつつあります。
 重要な考慮点を幾つか述べます。本当に成果の上がる全国協定というものを模索して、進歩的な経営者も含めたさまざまな分野との対話を行う努力をすること。そしてその協定をコスタリカの国民に知ってもらい、それを守ってもらうこと。非公共部門の組織化に大きな努力を払うこと。失業者の組織化の手段を考えること。年少者に対しても労働組合についての啓蒙の努力をし、また青年に対してもその努力を続け、今まで苦労の末に獲得してきた成果 をできるだけ失わないようにすることです。