2005年 トリニダード・トバゴの労働事情

2005年7月6日 講演録

トリニダードドバコ全国労働組合センター(NATUC)
ケビン アンドリュー モデスト

トリニダードトバゴ医療専門家労働組合 アドバイザー

 

MPATTの組織と政府の対応

 トリニダードドバコ医療専門家労働組合(MPATT)は、トリニダードドバコの政府部門である厚生省と地域厚生局に分かれている医療機関の医者を代表する労働組合で2002年に結成された。すでにこの組織は医者の大部分を組織し、中央・地方において医者の利益を代弁して交渉に当たっている。しかし政府は、例えば交渉が不成立でストに入ったり、オーバータイムに応じられないなどの抗議行動に出たりされると、雇用者としての政府の面子が立たないということで、現在も認定をしていない。
 また、外国からは若くて志高い医者がやってくるが、そうした医者の大部分は労働組合に加盟したくないといっている。それはなぜかというと、政府が例えば、労働許可を出さない、契約者を更新しないと脅かしたり、あるいは略式解雇の目にあったりと政府のそういう犠牲になったり、仕事の仕返しを恐れたりということなどがあるからである。しかし、労働組合はこのような問題にきちんと対処している。

労使関係と賃金交渉

 国全体としての労使関係は大変緊張関係にある。とくに、政府医療機関での労使関係は、関係当局の管理する役人の姿勢、医療システムの不勉強、基本的な労使関係の認識不足、労使関係の法律の理解不足などがあり、決して良好であるとはいえない。
 また、2003年と2005年の期間の報酬改定交渉はつい最近妥協した。最近の傾向として関係当局は、交渉に当たって労働組合が何らかの闘争体制を組織しないと、労働組合の意見を重要視しないという悪い関係が続いていた。そういう状況のなかにおいても労働組合は、粘り強い交渉を重ねた結果、過去3年間の最初のオリジナルサラリーの5倍までに医者の報酬を引き上げることに成功した。

MPATT運動の波及

 現在、MPATT運動は、多くの労働者や団体に勇気を与え、労働組合の結成へと大きく波及している。特に、政府機関の水道局やその他の部門に労働組合を結成しようという動きが出ており、その相談と対策について積極的にアドバイスをしている。その結果、MPATTは運動範囲を拡大してコンサルティング業務まで行うまでになっている。