2004年 ドミニカ共和国の労働事情

2004年6月30日 講演録

ドミニカ共和国労働組合連盟(CTU)
マクダレナ ポランコ グリーン

大学教職員組合 組織委員兼地域代表

 

 私の出身組織の大学教職員労働組合は、サントドミンゴ自治大学の中にあり、1961年12月14日に設立されました。私はその組織の中で、活動を組織し、活動を実行する組織委員会の一員をしています。その組織委員会は書記長が長となっている委員会です。活動の最重要項目はサントドミンゴ大学教職員組合、ひいては国全体の労働者のための政策要求を実現することです。経済的な面では、サントドミンゴ自治大学の教職員の賃金引き上げ、ひいては国全体の労働者の賃金引き上げのための闘争をしています。社会的な面では、ドミニカ共和国のすべての労働者たちが公平な扱いを受けるよう、そしてまた憲法、法律、さまざまな国際的な取り決めで規定されている労働者の権利や活動が擁護されるよう闘っています。そういった労働者の権利や活動を擁護するための要求や圧力をかける努力の中で、大学教職員組合は、国際組織や国際機関と連携をとりながら活動を進めています。例えば、南アフリカのアパルトヘイト時代にはネルソン・マンデラ氏の釈放を求める国際的な連帯活動に参加しました。カリブ海地域全体の労働者の地位を向上させるための連携活動にも参加してきました。また、国内では労働者の権利を守るという意味で、権利が脅かされる公共サービスや高等教育の民営化に反対しています。
 大学教職員労組は、国際的には国際公務員労連(PSI)に加盟しています。大学教職員労組はナショナルセンターのドミニカ共和国労働組合連盟(CTU)に加盟し、CTUはICFTUに加盟し、それを通じてICFTU米州地域機構(ORIT)に加盟しています。
 大学教職員労組は大学レベルでさまざまな要求をしていますが、これまで達成した成果として、大学教職員の昇進規定、キャリア規定が策定されたことです。これにより、教職員には段階的な昇給、給与体系の安定が達成されました。大学当局側と労働組合は、この規定を見直すために現在討議しています。というのは、この規定は1968年にできたものなので、さまざまな事柄を更新しなくてはならない時期にあるからです。
 ほかに達成されたこととして、職員に対する訓練の充実や能力に応じた配置、有給休暇の取得、先任期間の尊重、大学勤労者賞というものをつくったこと、大学の運営機構に労働組合として参加したことなどです。
 教育の面からみますと、大学教職員労組はサントドミンゴ自治大学経営訓練校と一緒にさまざまな教育キャンペーンを行っています。組合員を始めとする教職員たちに対する教育ですが、こういった労働組合教育キャンペーンのほかに、組合員はマスターコース、大学院の専門講座、資格取得講座、技術習得講座などを学費免除で受講できるということをなし遂げました。サントドミンゴ大学はカリブ海諸国でも有数の大学で、公務員を志望する者に広く受け入れられ、行政にかかわる人材を多く輩出しています。そういった職業への就職率が、国の中では最も高いことを誇っていますし、唯一労働組合を持っている大学です。

経済について

 ネオリベラル的な流れはドミニカ共和国の生産体系を破壊しています。国民の主権をも侵害するもので、ドミニカ共和国の国民を単なるサービスの提供者におとしめるものです。例えば、観光や通信などの産業のサービスの提供者としかみなされない国民におとしめています。また、よく言われる労働の柔軟化、産業のリ・エンジニアリングというものは搾取の体系をさらに深め、生産体系を破壊し、国民をさらなる貧困に導くもので、国内外の資本家のみを太らせるものです。ドミニカ共和国中央銀行、国家企画庁の2002年に行われた国勢調査によると、ドミニカ共和国の2002年時点での人口は823万722人。そのうちの711万8,265人が労働可能年齢にいる人口で、就業人口は394万3,463人です。つまり、残りの330万9,103人が失業状態にあるということで、失業率は17.1%になります。就業人口のうちの43%はインフォーマルセクターで働いていると言われています。
 最後になりますが、国民を脅かしている自由貿易協定(FTA)の問題について少し触れておきたいと思います。この問題に対処するためにはさまざまな産業の労働者、また社会の中のさまざまな団体が手を結び、総合的な力を持たなくてはなりません。国内、そして国際的な戦線をつくり、グローバル化に対処していかなくてはなりません。そういった中で社会的、経済的、文化的な統合というか、連携をとっていかなければなりません。また、新しいこのグローバル化に対する対処の仕方のモデルをきちっとつくり、民主的かつ公平で人間的な社会がつくれるように努力していかなくてはなりません。そういった行動を計画実行した後に、それを自分たちで評価する仕組みもつくっていくべきだと思います。