1999年 ドミニカ共和国の労働事情

1999年10月20日 講演録

フェルナンド・アルフレッド・レイェス
国際自由労連・汎米州地域連盟 ラテンアメリカ地域青年担当

 

ドミニカ共和国の概要と経済状況

 ドミニカ共和国は一つの島の中にあります。この島は2つの国からなっていて、一方はハイチ、もう一つが私たちの国ドミニカ共和国です。島の面積は7万7,000平方キロメートルあり、ドミニカ共和国の国土はそのうちの4万8,000平方キロメートルとなっています。国の人口は大体800万人です。そして、国は29の県と1つの首都圏に分かれています。
 まず、ドミニカ共和国の経済社会状況の説明をします。ドミニカ共和国の失業率は年齢層によって違いますが、大体20%前後になっています。中には30%にも上る年齢層もあります。つまり、ドミニカ人の100人のうち、20人から30人が失業者であると言えます。現在の失業率は、大体30%前後です。1991年の労働力人口(10歳以上の人口)は288万1,022人でした。現在の労働力人口は300万人近くになっています。この労働力人口のうちの47%、つまり、134万7,914人が若者です。そして、この若者の労働人口のうち、男性は79万1,539人、女性は55万6,373人となっています。就業人口は229万7,667人ですが、そのうちの失業者が58万3,355人となっています。そして、仕事のある人口のうち、933万816人が若者となっています。その内訳は、男性が63万5,457人、女性は29万8,358人です。私どもの経済の中で大きな重要性を占めているのが、保税加工地区です。ここには現在、大体14万8,000人ぐらいの労働者がいると思われます。また、観光業も大切な産業となっています。国は以前農業国でしたが、現在ではサービス業が盛んになってきています。例えば、砂糖も以前には大きな産業として栄え、40万人ぐらいの労働力人口がいましたが、現在は資本化というプロセスが進んでいる段階で、この労働力は6万人から4万人へと減少しています。また保税加工地区の中では、繊維産業が盛んです。これは保税地区ですから税金がかからないということで、北米市場に進出しているのです。つまり私どもの国は、以前は農業国だったのが、今はサービス産業が盛んになり、それと同時に保税加工地区があり、観光があるという状況です。
 そして、ドミニカ人は外国にいる人が多いので、その人たちがもたらす外貨が入ってくるということもあります。大体この10年あたりですが、国の経済成長率は7%前後で維持されています。しかしながら、経済成長の重要な要因は、ドミニカ人が外からもたらす外貨であります。これは大体1億5,000万ドルぐらいで、その中の1億ドルぐらいは北米からくると言われています。

ドミニカ共和国の労働運動

 これから労働組合運動の話をしたいと思いますが、労働組合運動にとって重要なのは、公営企業の民営化です。これは資本化といって、キャピタリゼーションと呼んでいますが、すべての公共事業が民営化されています。この民営化のプロセスで、公務員がいろいろな意味で労働市場に参加できると思われますが、国の公営事業は全面的な民営化が進んでいて、運輸関係の会社から電気関係の会社まで、すべてが民営化されています。このように、民営化が進んでいるので、労働組合組織率は低くなっています。大体、平均して7%です。若者の組織率は、わずかに0.5%です。民営化が進むにつれて、以前は労働組合の運動家であった人たちも運動家でいられなくなってしまっているという状態があります。そこで、労働組合としては、こういった労働組合のリーダーが今でも組合活動を続けられるように、例えば労働組合の顧問などになって、組合活動を続けていただくという道を探しています。
 そしてまた、移民の問題があります。ドミニカ共和国には、130万人ぐらいのハイチからの移民がいます。

ORITの青年労働連動

 次に、私が属しております国際自由労連の汎米州地域連盟、その中でも若者の運動についてお話ししたいと思います。
 この若者の運動については、1998年9月から2001年9月まで3年間のグローバル計画を立てています。このグローバル計画の中では、若者たちに参加してもらい、キャンペーンチームをつくり活動をしています。エクアドルにあるシオルスという労働組合や、ドミニカ共和国内にある労働組合や、ORITの若者のリーダーたちのグループなどと接触して、グローバルな形での若者のキャンペーンを続けています。いろいろなワークショップやセミナーなども開かれていて、私どもはサントドミンゴでセミナーを主催しました。そこにはホンジュラスやコスタリカ、パナマ、ブラジルの若者たちにも参加してもらっています。また、ORITの本部があるベネズエラでもこういった大会が開かれたことがあり、去年はエクアドルや、ブラジルの「労働組合の力」からのご参加もいただいています。そしてまた、ORIT会長のユニングさん、ベネズエラ代表のソワレスさんなども参加しました。
 その他、ブラジルでも2つのワークショップを開いています。ことしは国際自由労連の50周年で、私たちはもう少ししっかりした形でのキャンペーンを開きたいと思っています。そして、資金を集め、ラテンアメリカの若者たちを集めて大会を開きたいと思っています。
 ラテンアメリカというのは大変若い国ですし、また、多くの若者の人口があります。それで、ORITとしては、これからは若者たちに労働組合運動に参加してもらうよう運動を進めていきたいと思います。そして、現在ある労働組合のリーダーを受け継いで、新しいリーダーになってくれる人たちを育てたいと思っています。ラテンアメリカは、とても若い大陸ですから、若者たちがもっと決定権を持って行動に出てほしいと思っています。2005年になりますと、地球の人口は60億を超えますし、その中でも20億人ぐらいは若者の人口になると思います。そして、国連の人口基金によりますと、2000年にはこういった国々での若者の人口というのが増えて、特に14歳から35歳までの人口が、59%か60%になると言われています。