2007年 ドイツの労働事情

2007年2月21日 講演録

ドイツ労働総同盟(DGB)
バルバラ・スセック

会長付政策秘書

 

労働市場

 2007年1月の失業率は10.2%と非常に深刻な労働市場の現状です。この数字は、ILO基準によるものではなく、ドイツの社会法による数字で424.7万人が今なお失業者として登録されているということを意味しています。そのうち48.1%が女性、51.5%が男性です。25歳未満の失業者は10.4%、50歳以上が26.3%、外国人労働者が14.4%です。
 就労者は3,8403万人。430万人がフリーランスないし自営業。パートタイマーは730万人。
 800万人のミニ/ミディジョブといわれる、ほんのわずかな賃金のために働く人(一定の金額を超えて働いてはいけないといわれる職種)がいます。

ハルツ委員会

 労働市場政策分野で連邦政府は3年前にハルツ委員会(労使、科学者、その他あらゆる社会の階層の代表から成る)を設置しましたが委員会は労働市場改革計画を出しました。これは約200万人分の新たな仕事を提供し19.6億ユーロの公共予算が浮かせるといういうものでした。しかしながら、この計画はあまりにも現実ばなれしたものでした。改革が行われる前より状況が悪化してしまったのです。今日年平均の失業者がさらに30万人も増え失業関連コストも削減することはできませんでした。
 このハルツ改革は否定的な影響を失業者に及ぼし弱者を労働市場に統合するとういうより排除する結果になりました。その結果、全体的な失業率の減少傾向と経済の上昇傾向(旧西ドイツ、12%アップ)にもかかわらず長期的な失業率が2005年9月~2006年9月に5.3%上昇したのです。

就業優先

 社会保障給付の受給者は、どんな仕事であっても求人に対しては、ほとんどの場合、それを受けなくてはならない状況になっています。正規従業員の17%はいわゆる高いほうと低いほうの賃金の場合、その分岐点において低い賃金のほうにいかざるを得ないという結果になっています。これらの人々のうち60%は訓練を修了しています。有資格者の割合は増える傾向にあります。女性の3分の2は低賃金のセクターです。非典型労働と派遣労働者も増えています。

政府のアジェンダ

 政府のアジェンダとしてあげられた医療保険制度改革は結果とし従業員の高負担となります。一方、法人税法の改革では大企業に対する法人税の低減です。定年は65歳から将来的には67歳へ引き上げ、低賃金セクターの改革、解雇保護法の規制緩和、労働時間延長計画もあげられています。

DGBの重点取り組み

 DGBの重点取り組み課題は労働市場における若年者をとりまく諸環境の改善、最低賃金の設定(産業によっては最賃がある)、非典型労働あるいは派遣労働に対してリーセントワークの促進。失業状況の改善、今後の社会保障制度のあり方などについて政府とさまざまな話し合いを持っています。

最低賃金について

 低い賃金しか支払われないような部門がますます成長しています。雇用の拡大には至っていません。賃金に関する団体協約の拘束力が弱くなっている状況が特に旧東ドイツ圏で見られます。非典型的な仕事が増えていることによります。2003年で見ますと、旧西ドイツ圏ではた団体労働協約の拘束力の及ぶ仕事の範囲は70%にのぼっていたものが旧東ドイツ圏ではわずか54%にすぎませんでした。そのために最低賃金の導入を検討しています。DGBが考えている最低賃金は月当たり1,250ユーロ(約193,750円@155)、時間当たりに換算すると7.5ユーロ(約1,162円)になります。現在の労働大臣は社会民主党出身でもあり今年度末までには導入されことを願っています。

労働事情を聴く会