2006年 ルーマニアの労働事情

2006年11月15日 講演録

全国労働組合ブロック(BNS)
ステルツァ・エナシェ(Ms)

経済担当局長

ルーマニア自由労働組合同盟(CNSLR-FRATIA)
クライディア・ペトゥク

中央執行委員兼青年委員会委員長

 

 人口約2170万人、首都ブカレスト(約200万)、南東ヨーロッパに位置し、東は黒海に面している。公用語はルーマニア語であるがハンガリー語とドイツ語は公用語に準ずる扱い。

労働市場

 2006年7月の失業率は5.1%(15~24歳 21%)。貧困ラインにある人々は18%。外国で働くルーマニア人約200万(不法就業者含む)。この6年ほどの経済成長率は5%程度を記録しているが最低賃金は平均賃金の30%程度と低い。EU加盟後は数年内に60%まで引き上げることが求められている。労働市場の特徴は、若年者の失業が高いこと、インフォーマルセクターが大きいこと、雇用の機会が不足していることから外国に働きに出る人が多いことである(2006年10月英国は2007年EU加盟予定のルーマニアとブルガリアからの労働者の受け入れを一部制限すると発表した)。
 雇用・労働市場対策は労働社会連帯省の任務であるが、全国雇用庁の勧告により失業保険基金の予算を組む。全国雇用庁は職業斡旋、積極的労働市場プログラムおよび成人職業訓練プログラム編成をする公的機関であるが三者構成で運営されている。成人職業訓練戦略と政策を推進する協議機関として全国成人訓練委員会が1999年に設立されている。さらに全国雇用促進審議会が新たな法律によって失業保険制度、雇用情勢を審議する三者構成諮問委員会が設置された。労働市場の深刻な問題はGDPの少なくとも20%も占めると推定される巨大なインフォーマル経済セクターの存在でありその分フォーマルセクターの雇用減の数字となってあらわれていることである。このグレイエコノミー(灰色の経済)は大量の低賃金労働と未熟練労働者を生む温床となっている。統計上の失業率を低く抑えている要因である。

労働組合

 ルーマニアでは同じ業界、あるいは同じ職業に携わる人たちが最低15人集まれば労働組合を作ることできる。現在承認されているナショナルセンターは5つ。主要なものは全国労働組合ブロックとルーマニア自由労働組合同盟である。両組織ともICFTU(現ITUC国際労働組合総連合)および欧州労連(ETUC)加盟。ナショナルセンター統合の交渉が現在行われている。産業別組織総数は167、各ナショナルセンターの加盟産別数は25から44。

社会対話

 全国レベルの社会対話は、2つの方式がある。三者構成会議(産別労使と当該省)と二社間会議(産別労使)。さらに企業グルーレベルでの社会的対話は企業労使で行われる。労働運動はEU基準に基づくあらゆるレベルでの社会的対話を効率よく推進するための制度づくり、有力な機関・団体と協同してヤミ労働と汚職追放、強制労働・児童労働の廃絶を求めて闘いをすすめている。

労働事情を聴く会