2009年 ポーランドの労働事情

2009年9月11日 講演録

ポーランド独立労組「連帯」(NSZZ)
バーバラ・スルドイコウスカ

労働法・労働慣行・社会政策担当専門家

 

一般的な労働事情

 ポーランドの人口は3,813万8,000人で、そのうち経済的に活動的な人口は1,698万6,000人、非活動的な人口は1,441万6,000人である。経済的に非活動的な人口が多い理由は1990年代に導入された政策による。1989年の旧体制崩壊後、経済の変革が行われ、国営企業の民営化が進められた。解雇を目的に早期退職制度が、特に50歳以上の労働者を対象に適用された。実際には若者の早期退職も数多くみられた。そのため良くない結果をもたらし、社会保障の資金負担が重くなっていった。
 最近の世界的経済危機においてポーランドへの影響は他のEU諸国、特にバルト3国に比べるとそれほど悪くはない。EU諸国の中でポーランドのみが、1.1%というわずかな成長とはいえ経済成長を遂げている。バルト3国では10%以上のDGPの落ち込みが見られた。
 2004年にポーランドはEUに加盟した。その結果、いくつかのEU諸国がその労働市場をポーランドに開放した。100万人とも150万人ともいわれるポーランド人が外国に向かった。今回の西ヨーロッパ諸国の経済危機・景気後退で帰国を余儀なくされる労働者が増え、そのためポーランド国内では失業者が増えている。

労働組合が直面している問題

 「連帯」の組合員のほとんどは製造業の労働者である。大きな問題の1つは組織化の問題、特にサービス部門の労働者の組織化の問題である。例えば民間の警備会社の労働者、スーパーマーケットの労働者をいかに組織していくかが課題となっている。
 2つ目の課題は有期雇用労働者(現在は労働者の約27%)の問題である。もう1つの問題は最低賃金(現在は平均の40%)の問題である。更に企業や部門レベルでの労働協約の数が十分でないという問題がある。

諸課題に対する労働組合の対策

 「連帯」は組織化推進のためにプロジェクトを立ち上げ、警備員やスーパーマーケットの労働者の組織化を図っている。
 ポーランドでは政労使三者の中央レベルの協議が行われている。二者間の協議は企業レベルでは行われているが、中央レベル、産業別レベルにおいてはほとんど行われていない。二者間の協議を中央レベル、産業別にも強化していく必要がある。
 政府との議論や交渉は三者委員会である。年に一度、公共部門の最低賃金と賃金引き上げについて交渉が行われている。また労働法と労働市場政策の問題も、この委員会で解決される。

労働事情を聴く会