2006年 モンテネグロの労働事情

2006年11月15日 講演録

モンテネグロ独立労働組合連盟(SSSCG)
ボリス・ミハイロビッチ

産業民主化担当局長

 

 正式国名モンテネグロ共和国は、2006年6月の国連総会で192番目の加盟国として承認された人口65万の世界でもっとも若い国である。自然豊かなモンテネグロは南ヨーロッパに位置する。行政の中心であり最大の都市はポドゴリツァ(人口約15万)、歴史と文化の中心は王国時代の首都ツェテェニエ(独立式典が行われた)。独立までの経緯は1992年民族紛争とユーゴ解体の中で、セルビア共和国とともにユーゴスラアビア連邦共和国を樹立したが2003年に「セルビア・モンテネグロ」に国名変更している。日本開催の2006世界女子バレーに参加した「セルビア・モンテネグロ」名のチームは最後になった。

労働市場

 モンテネグロの雇用人口(2005年)は約143,479人、そのうち約43.7%が女性である。平均賃金(2006年9月)は、248.34ユーロ(約$330)、最低賃金は50ユーロ(月約$66)であるがほとんど守られていない。年金は、148.3ユーロ(約$148.3)である。失業率は、約19%であるが減少傾向にある。貧困率は、約12.2%。
モンテネグロには、独自の通貨はなく「ユーロ」を国の通貨としている。ユーロの導入は改革の最も重要なステップとして実施された。国の外交基本方針がEUへの加盟を最優先課題とし、西側諸国との関係強化に努めていることも背景にある。
 歴史的な経緯もありモンテネグロには共産主義的な面もまた社会主義的な部分も残っているが民営化はすすめられている。2002年からは大量のバウチャー民営化のプロセスに着手。輸出入における輸入超過分の穴埋めは観光収入頼りであるが幸い過去15年間観光収入は好調である。海外からの投資も重要である。日本からも自動車関連の大同メタルが進出しているが更なる投資が期待されている。

労働運動

 モンテネグロ独立労働組合連盟(CTUM)は、組織人員102,000名(女性40%)、全労働者の70%が組合員となっている。23産別が加盟、21の市町村に労働組合センターをおいている。ICFTU(現ITUC)加盟は1999年。オープンショップであるが組織率は約70%。使用者拠出による基金を設立、組合員へのさまざまなサービス活動を行っている。その一つが組合員5000人に年一回の保養地7日間無料宿泊(3食込み)の提供がある。この保養地は、西欧諸国からの財政支援で建設された。また、組合員の住宅確保では地方自治体からの用地提供と銀行の低金利融資20年ローンの提供などがある。

労働事情を聴く会