2001年 ラトビアの労働事情

2001年2月7日 講演録

ラトビア自由労働組合同盟(LBAS)
ユーリスラゼヴィチ

ラトビア自由労働組合同盟会長

 

国内の状況

 ラトビアはバルト三国の一つで、リトアニア、エストニアと国境を介しています。面積は6万4,000平方キロメートル、人口が約250万人。1ドルは0.623ラトです。
 ラトビアが独立をしたのは1990年です。もともとラトビアは1918年に一国として独立し、第2次世界大戦までは独立国でした。1940年代にソ連軍の占領に遭い、その後は一国としての独立を維持できませんでした。
 現在ラトビアにおいては議員制度が引かれていて、大統領も議員の中から議会で決定されています。
 ラトビアの月平均の手取額は180ドルです。最低賃金は、50ラトで、86ドルぐらいです。一般的なラトビアの労働者家庭の消費で、一番大きな位置を占めているのは39.1%の食費です。その次に住居費の17.7%です。次に光熱費で、基本的な生活をするための出費が大きな割合を占めているので、ぜいたくは一切できないというのが現状です。
 高齢化も進んでいて、日本と同じように若い世代が社会保障等の面で、高齢者を支える負担が大きくなってきています。
 2000年の失業率は8.1%で、最近のデータでは7.6%となっています。しかし、この中には短期労働者、そして非正規従業員も含まれています。再び独立を果たすまではあまり個人の問題に関しては社会的に関心は払われず、政治的な課題、問題が最優先されていました。独立後、その価値観が変わってきたことにより組織率が下がってきています。なか
なか労働組合に入ろうという動機が見出せないことが原因だと思います。また、組織率低下のもう一つの原因として、今まで国営だったさまざまな大企業が民営化され失業者が増えたこともあります。2000年時点の、組合員数は約20万8,000人です。これは全労働者の24%です。

組合の活動について

 ラトビアのナショナルセンターはLBAS1つです。労働組合員のうち約60%が女性です。労働組合の役割の中で一番重要なことは、労働協約を結ぶことだと思いますが、労働組合員の全てが労働協約を結ぶことができるわけではありません。
 ラトビアでは、日本と同じように各企業単位で労働協約が結ばれていて、産業別組織レベルでの協約というのはあまり結ばれていません。
 ラトビアにも三者審議会があり、この三者とは使用者側、労働組合、そして政府の代表のことです。1999年の審議会には首相も参加し、私たちの大きな成果だったと思います。
 日本と同じように人口の構造変化、つまり、若手の年金等に対する負担が大きくなってきていることを受け、年金の受給開始年齢を65歳まで引き上げようという動きがありました。99年に国民投票をした結果、年金受給開始年齢は2008年より62歳にするということで妥協点を見出すことができました。
 昨年は、エネルギー問題に関しての国民投票を行い、エネルギー法を改定しようという運動が起きました。エネルギー関連の企業は今まは国営でしたが、政府はそれらの企業を民営化し諸外国に売却しようとしました。労働組合はエネルギー関連企業を海外企業に売却することについて反対運動を起こし、最終的には運動の成果が認められ、エネルギー部
門の企業は国営であるべきだと国会で採択されました。
 労働組合の課題を2つあげます。1つは最低賃金の改善、向上で、今より20%アップを目指しています。もう1つは、労働者が負担する社会保障費の徴収額の上昇を抑えるという運動で、3年前に2002年の1月1日より社会保障費を7.5%アップするという法律が採択されたましたが、この運動により、それを阻止しようとしています。
 労働組合の議決機関で一番重要なものが大会です。LBASにも日本の連合と同じように産別組織があります。ナショナルセンターが1つだけです。そして1企業に対し、1組合となっています。企業別組織として約3,000あり、すべてが産別組織に加盟しています。
 そのほかに23の地域組織もあります。産別組織の数は26です。大会は4年に一度開催され、そのほかに毎年会議が行われます。その会議では翌年の戦術、戦略に関して論議されます。国際協力ですが、1997年12月よりLBASはICFTUの会員になりました。私どもは主にヨーロッパの労働組合と協力関係を持っています。バルト三国間には評議会があり、エストニアからは2つ、リトアニアからは4つ、ラトビアからはLABSが加盟しています。国レベルではEUへの加盟運動も進んでいますので、その統合化の流れの中で隣国との協力関係をどう確立していくかが1つの大事な課題です。

労働事情を聴く会