2006年 ベトナムの労働事情

2006年5月17日 講演録

ベトナム労働総同盟(VGCL)
ファン ビエット トン

ダナン省労働連盟会長・VGCL中央執行委員

 

 現在のベトナム労働適齢人口は約4,400万人、その約10分の1の440万人が国営関連事業に従事。その他の約3,800万人が国営外セクターにあり、そのうち約68万人が外資企業に従事。労働人口の約24.8%が何らかの教育訓練を修了している。
ドイモイ、刷新路線開始以降、労働条件、主に給与はそれなりに向上している。

1.VGCLについて

 VGCLの現在の活動の一つとして、「技術の高い創造性のある労働者を育てよう」というキャンペーンを盛り上げており、労働者の法的な知識も徐々に向上しつつある。組合自身も労働者権利擁護の各種法律を普及させるため、さまざまなレベルでそれらの適正実施を監視し、フォローすることに積極的に携わっている。労働安全衛生も改善しつつあるが、その中で特にJILAFから得ているご協力は非常に大きな貢献をしており、組合が先頭に立って、公務員を中心とした労働者で生活支援を必要とする人たちに対する支援活動をしている。
組合員総数は約524万人。全国に7万6,000余りの組合があり、VGCL全体としては、さらに100万人の組合員の獲得を目指している。

2.ダナン地域について

 ダナン市では現在、4,450の企業が活動中で、そのうち70社が外資。外国資本の投資額は約5億ドルで、市の経済を底上げし、労働者にも新技術アプローチの機会提供など、非常に大きな役割を果たしている。中央直轄都市なので、日本からも6企業が投資してくださり、日系企業における組合活動もきちんとしている。企業別組合設立もかなり浸透しており、組合に対する法的知識の普及教育も進んでいるので、企業別組合における労使関係は極めて良好である。ダナン市労働連盟としても労働者の適正な権利擁護を目指し、各企業別組合において労働者の権利、例えば医療保険、社会保険、その他諸制度遵守について定期的チェックシステムを進めている。
 組織強化については、新しい状況に適応した新たな組織の構成というものに正面から取り組んでいる。すなわち、労働環境の新しい状況に対応するため、(1)労働安全衛生強化と職業病予防対策、(2)国営外セクター増加に伴う新たな労使関係システム導入に対応できる組合幹部養成(3)経済のドイモイ政策が進む中で変化する労働関係への対応。これは、ベトナムの法制上、会社設立後6カ月以内の組合設立を義務付けているにも拘らず、法律を遵守しない企業が多々存在している点に注目しており、こういった企業における労働関係は、今までに私たちが経験したことのない複雑な状況が発生している。そして残念ながらストライキは今非常に多発している。VGCLはそれらの事案一つ一つをよく精査して、解決のための打開策を見出していきたい。