2005年 シンガポールの労働事情

2005年7月27日 講演録

シンガポール全国労働組合会議(NTUC)
ジェイソン チャグアス ラム

エクソンモービル労働組合 委員長

 

組織のカテゴリーと直面する課題

  シンガポールの労働組合には主に4つのカテゴリーがある。1つめが産業別労働組合、次が一般的な支部タイプの組合(労使関係の問題について代表権がなく、パートタイム労働者や契約労働者が属する。NTUCはこれをケアする立場にある)、3つめが日本型の企業別組合、最後が職業別の労働組合である。
 直面している課題としては、まず労働力の高齢化への対策として、高齢者と女性労働者に対する、労働力のニーズに適合できるようにするための再教育である。さらにグローバリゼーションによる組合員の減少、若年労働者の無関心の増大に対応した組織化の強化と、就業機会の創出も課題となっている。
 組合と雇用の関係では、まず賃金制度が年功序列型から企業が競争力を高めるために実力主義型に変化してきており、その結果、労働者の能力開発と再教育が重要になっている。また、社会保障面での変化もあり、雇用システムを再構築、再構造化する必要が高まっている。その一つとして、現在家事労働を中心に主に外国人が行っている賃金の低いローエンドジョブを、シンガポール人に与え戻そうとしている。
 組合は、賃金の再構造化で業績リンクの傾向が強まっていることに対し、労働者の能力開発、再教育を重視しているし、現在は62歳定年制になっているが、社会保障面では、健康保険・医療保険について、ポータブルベネフィット化を実現するように努力している。