2001年 フィリピンの労働事情

2001年6月13日 講演録

フィリピン労働組合会議(TUCP)
ジョセフィーヌマナグロッドアンダヤ

ミツミフィリピン労働組合委員長

 

政治・経済・社会状況

 2001年の最初の5カ月間にフィリピンでは、まず第1に人民の力によってジョセフ・エストラダ大統領が失脚しました。それを私たちはEDSA2と呼んでいます。それにより副大統領のグロリア・マカパガル・アロヨ氏が大統領に就任しました。2番目にエストラダ支持者の力による権力回復の試みが失敗しました。これを私たちはEDSA3と呼んでいます。3番目に起きたことが、2001年5月14日に全国と地方の政党名簿制選挙が実施されました。
 EDSAというのは何かというと、エピパニオ・デロス・サントス・アベニューという5つの街を通っている大変長い大通りの名前です。その間に2つの軍の駐屯地もあります。一番最初に人民の力が発揮されたのは、1986年の故マルコス大統領を失脚させたときです。そのときにはEDSA通りのうちの少なくとも5キロは、デモをする人たちでいっぱいになりました。人民の力によって大統領が失脚したんですが、同じような人民の力の発揮が起きたということで、マルコス大統領がEDSA1で、今回のエストラダ大統領の失脚をEDSA2と呼んでいるわけです。
 第1と第2のEDSAのときには流血はありませんでしたが、EDSA3の場合には流血が起こりました。私たちは、EDSA3は正当な人民の力による革命とは思っておりません。これを起こしたのはエストラダ大統領の支持者たちで、自分の意思でEDSA通りに行ったとは思えないからです。彼らはエストラダ支持者にお金を払ってもらってデモに行ったと、私たちは見ています。EDSA1とEDSA2の革命でそこに出ていった人たちは、ほとんど労働者でした。

今年のTUCPの主要な活動方針

 政党名簿制選挙はフィリピン議会に弱者集団、例えば労働者もその中に入りますが、その代表を送ることを目的とした制度です。そこでTUCPの加盟産別組織は、全組合会議All Trade Union Congress Party 党、(ATUCP)と呼んでいますが、それをTUCPの公式の政党名簿制組織とすることに決定し、そのもとに集結することにいたしました。TUCPはEDSA2に積極的に参加するよう呼びかける覚書を加盟産別組織に送りました。なぜそういうことをしたかというと、エストラダ大統領が「団体協約を労働者は食べることができないではないか」と、団体協約をばかにしたような言い方をしたので、エストラダ大統領を失脚させようということで呼びかけたのです。

活動方針を達成するための具体的な活動

 政党名簿制選挙の選挙運動期間が短いので、TUCPは各加盟産別組織において全指導者の会議を開催するように呼びかけました。各産別の加盟組合でも同じようにして、会議をいろいろ開いて短い運動期間を最大限有効に活用しようということにしました。しかし、既に政党名簿制選挙の票集計はほとんど終了しています。この段階でTUCPは我々の運動の短所と長所は何であったかを見極めるために、選挙後の評価制度を設計することを始めました。実行可能な行動として私たちが考えていることは、TUCPのすべてのプログラムに情報キャンペーンを入れることです。議会に労働者の代表を送ることがなぜそんなに必要なのかを労働者に広く理解してもらうために、情報キャンペーンをしようと考えています。