2008年 マレーシアの労働事情

2007年10月21日 講演録

マレーシア労働組合会議(MTUC)
ロー・キァット・ミン(Mr. Law Kiat Min)

サラワク銀行労働組合 事務局長

 

雇用情勢

 総人口2,700万人、就業労働者1,100万人。この数字には210万人の移民労働者が含まれている。ほとんどがバングラデシュ、インドネシア、ネパール、中国からの合法的な労働者である。外国人労働者が従事している主な産業は製造(36%)、プランテーション(16%)、建設(15%)である。労働市場の中心は20~29才の労働者で31%を占め、次いで30~39才が27%を占めている。銀行、教職員、観光、ホテル業を含むサービス部門は依然として最大の雇用者で、総労働力人口の52%を占める。定年は法律で規定されてはいないが55才とみなされており、ほぼ全ての雇用契約に明記されている。民間の定年延長に対しては、政府と雇用者(雇用者連盟を通じて)双方から大きな抵抗がある。公務員は2008年からの定年58才を承認している。

労働組合

 就業労働者1,100万人のうち、801,000人は631の組合(2007年現在)に加入している。労働力人口の約7.2%である。一組合当たりの平均組合員数は1,270人。1万人以上の労働者が加入している組合は12にすぎない。また組織労働者のうち半数は政府または国家機関の労働者である。政府は公務員の雇用条件を規定するために1979年に設置した合同評議会の会合に官公サービス労働組合会議(CUEPACS)を招聘してはいるが、公務員には団体交渉権は認められていない。従って労働協約は民間部門の労働者のみが対象となる。民間部門の労働組合は385あり、42万6,000人が加入している。

マレーシアの労働法の特徴

 組合が非常に細分化しているのは、1959年労働組合法の要件が原因となっている。同法は職業、業務、業界、組織に基づいて組合をさらに細かく分割したうえマレー半島部分とサバ、サラワクの両州に分けている。1967年労使関係法(IRA)は、大多数が組合員である4つのカテゴリーを組合から除外し、すでに細分化している組合に新たに線引きをした。その4カテゴリーとは、経営職(Managerial)、管理職(Executive)、人事スタッフ(Confidential)、警備職(Security)の労働者である。マレー半島の労働者を対象とする1957年雇用法は時代遅れのままである。最後の法改正は1992年で、適用対象となる労働者の最高給与月額は1,500RMのまま据え置かれている。

サラワク州労働法令

 1952年サラワク労働法令(SLO)が2005年に改正され、全ての労働者が対象になったことは喜ばしい進展であった。しかし、政府はSLOのきわめて重要な規定に関して、サラワク州とサバ州では1ケ月当たり2,000ドル~2,500ドルの労働者を対象外としている。この免責は、改正SLOが実施された2005年10月1日の当日に与えられた。この大臣命令は現在最高裁判所で司法審査を受けているがサラワク州使用者団体であるサラワク林業協会(STA)は法令改正に納得していない。さらに林業で働く全ての労働者には基本的権利(6日連続勤務後の1日の休息日、通常の就業時間を超えた労働に対する超過勤務手当など)を認めないよう運動している。

サラワク銀行労働組合

 サラワク州は人口約245万人。州都クチンに本部を置くサラワク銀行労組は1966年組合登録。 州内の銀行15行と銀行傘下の金融会社を組織している。州内の銀行・金融会社の組織範囲にある一般行員99%と中間管理職員を組織化している。組織人員は約3000人。サラワク州では民間最大の組合でマレーシア労働組合会議(MTUC)に加盟、国際的にはGUFのUNIに加盟している。州都クチンに5支部をおき各行の組織委員会を通じ一般組合員との連絡をとっている。組合員へのサービス活動も兼ねたリゾート・研修センターを所有している。センターはクチンから車で1時間の南シナ海に面した海岸沿いにあり200名収容の会議室、プールも備えている。週末のピクニックにも利用されている。