2011年 ラオスの労働事情

2011年6月17日 講演録

ラオス労働組合連盟(LFTU)
チャンピン マニセン

 

1.当該国の労働情勢(全般)

 1986年以来、ラオス人民民主共和国は、国内外の投資事業家に対し、国内製品や輸出品を生産する機会を提供してきた。この政策を通じ、労働者の数は着実に増加している。ラオスでは、16歳から60歳が労働人口に含まれる。国内総人口590万人のうち、約380万人が労働人口を形成している。
 近年ラオスには1万8千の工場が存在する。2010年データによれば、大規模工場が1,600、中規模工場が2,400、及び小規模工場が1万4,000という内訳で、労働者数は12万人の女性を含む40万人にのぼる。国民の75%が農業に従事し、工業部門には8%、サービス部門には15%が従事する。

2.労働組合が現在直面している課題

又、ラオスの労働組合は以下のような問題に直面している。

  • 労働者は自らの権利や利益に関連する法律について十分な知識を持ち合わせていない。
  • 職場での団体交渉や個別契約の機会が欠如している。
  • 使用者による労働法及び労働組合法への顧慮や実施が十分でない。
  • 就業に先立って個別契約を結ぶことを望まない労働者も存在する。
  • 地域レベルや職場での労使紛争の解決に時間を要する。
  • 工場内に組合主義者が少なく、多くの工場においては労働組合の結成が困難である。
    労働組合活動の予算に限界がある。

3.その課題解決に向け、どのように取り組もうとしているのか

  • 労働組合員数、及び職場の労働組合数を増加させる。
  • プロパガンダを実施し、労働者に法律を周知する。
  • 労働法、労働組合法、及び他の労働関連法律文書と関連を持たせるべく、工場内の規則を改善する。
  • 就業に先立って個別契約を結ぶよう労働者を促す。
  • 使用者は労使協約の目的について自らの理解を深め、労働法や労働組合法、及び労働関連の各種政令の実施についての理解を推進する。
  • 草の根労働組合を対象とした労使紛争調停に係る研修を主催する。
  • 協議、及び経験共有の場としての年次会合を主催する。

4.あなたのナショナルセンターと政府との関係について説明してください

 ラオス労働組合連盟(LFTU)は、人民革命党の指導下にあるラオス人民民主共和国の政治体制に組み込まれた巨大組織である。
 同連盟は、労働組合員、及び他のあらゆる労働者の正当な利益を保護している。
 過去数年間にわたってLFTUは、最低賃金の上昇、労働法や政府政策の貢献について調査を実施し、政府への提案を行ってきた。

  • 政府と連携し、労使紛争の解決を図る。
  • 政府は、各自の生産計画を実施する労働人口に対して指導や助言を与え、動機付けを行う労働組合の結成を支援する役目を担い、義務を負う。

5.あなたの国の多国籍企業の進出状況について、また多国籍企業における労使紛争があればその内容についてお知らせください

 ラオスでは、労使紛争の際、使用者は補償なしに労働者を解雇する。
 労使紛争の解決に関しては、以下の四つの段階がある。

  • 第一段階は地域レベルの職場である。プロセスには労働組合、労働者、及び使用者が関与する。
  • 第二段階はラオス労働社会福祉省である。プロセスにはMOLSW(ラオス労働社会福祉省)職員、労働者及び使用者が関与する。
  • 第三段階は三者委員会である。プロセスにはMOLSW、LFTU(ラオス労働組合連盟)、及びラオス商工会議所が関与する。
  • 最終段階は裁判によるものである。