2009年 ラオスの労働事情

2009年6月16日 講演録

ラオス労働組合連盟(LFTU)
ルソンバ・ラサパサワン(Mr. Leuthsombath Rathaphasawang)

LFTU研究企画局長補佐

 

労働事情

 ラオスの単位労働組合の数は151,906。労働力人口は652,000人で、農業部門は406,000人、工業部門が102,000人、サービス部門が4,000人である。海外で働く移民労働者の数は300,291人で、そのうちタイでは合法、非合法を合わせて300,000人、日本では291人(うち女性が93人)の労働者が働いている。
 グローバルな金融危機はラオスの雇用情勢に直接間接の影響を与え、そのため失業者が発生したが、ラオスの労働組合および政府は使用者に対して労働者の雇用を守る道を探るよう要請している。たとえば労働時間の短縮、休日の増加などで雇用確保を図るよう要請している。
 タイで働くラオス人移民労働者の約1,000人が契約を打ち切られ帰国するものと思われる。ラオスの首都ビエンチャン、またサバンナケットの都市部は多くの工業を抱えており、そこでは多くの労働者を必要としている。その数は78,804人に上る。
 ラオスの労働者は季節労働者であり、金融危機の影響で工場などが閉鎖されると両親の住む農村に戻るが、衣服工場などが再開されると雇用労働に戻る。

解決方法

 ラオスの政府は労働者に影響を与えている金融危機に対する政策を講じている。政府は労働に関連する法規の順守を監督し監視するようすべての関係部門に指令を出した。ラオス国内で職業紹介を実施するために、すべての大都市で情報センターを設置している。失業者に対する技能訓練コースを実施している。

労働組合が直面している課題

  • 世界の他の国と同様に労働者は金融危機の影響を受けている。
  • 民間企業および外資系企業で労働組合を設立すること。
  • ラオスの労働者は遠隔地からの出身者が多く、労働組合運動についての理解が欠けている。
  • 使用者には労働組合や労働者の権利・利益に関する労働法規に留意しない者がいる。
  • 職場における安全衛生問題。

課題解決のための労働組合の活動

 世界的な金融危機の影響に対してラオス労働組合連盟(LFTU)はラオス政府および関係機関と協力して、政府、労働組合および使用者の間の会議を開催し、使用者側に対しては雇用を維持しながら労働時間の短縮を図り、適切な注意を払い雇用を確保するよう要請した。金融危機や、それが労働者の生活労働条件に影響を与えている問題に対しては、影響を受けている労働者に対する技能向上の訓練を開始した。ラオス労働組合連盟は労働組合開発研究所(Trade Union Development Institute)を持っている。この研究所は労働者や労働組合に対する労働組合運動、労働法、労働組合規約を学習する場となっている。職場における安全衛生についても労働者を教育している。また使用者に対して労働者の権利と利益に留意するよう要請している。さらに外資系企業に対して労働組合の活動に協力し、工場などにおいて労働組合の設立を認めるように要請している。
 LFTUは労働者の権利と利益の擁護に留意しながら、金融危機に対処しようとしている政府各部門および大衆組織に参加している。LFTUは全国の労働者に対して、グローバルな金融危機の中ではあるが諦めず注意深く社会経済開発の活動を強化するよう働きかけている。様々な労働単位で生産計画を実施するために使用者と協力するよう労働者に働きかけるとともに、使用者に対して雇用を確保すること、また事業を中止する場合には労働契約や労働法に則って行うよう要請している。

政府との関係

 ラオス労働組合連盟(LFTU)は1956年に設立され、ラオス人民革命党とラオス人民民主共和国の唯一の労働組合組織である。ラオス全体の労働者と労働人民を代表している。LFTUはその活動を行うために政府により財政支援を受けている。大統領や首相を含め政府関係者のほとんどが労働組合員である。従ってLFTUと政府の関係は良好で、良い三者構成制度を有していると言える。

ラオスに進出している外資系企業と労働争議の内容

 ラオスに進出している外資系企業はラオスの投資法と労働法の下で事業活動を行っている。労働争議も見られるが、その原因は使用者が残業手当の未払い、賃金の遅配に注意しないためである。また使用者と労働者が労働契約を順守しない場合も争議の原因となっている。