2007年 インドネシアの労働事情

2007年5月30日 講演録

インドネシア労働組合連合(CITU)
アイサー

インドネシア金属労働者連合、造船部門財務担当者兼CITU財務担当

ユリマルニス
化学・エネルギー・鉱山・石油・ガス・一般労働者組合 副会長・女性委員会委員長兼CITU女性委員会副委員長

 

 スハルト体制以降の労働組合の動きについて説明する。
 新しい体制になって政府の国民に対する補助金制度は全て取り払われている。具体的には、燃料、教育、医療の補助金制度が削減あるいは撤廃されている。
 労働事情に関しては自由労働市場という計画に沿って進められている。このシステムは正規社員を少なくし、契約社員、請負業を増やし、企業側の人件費負担を軽減するものである。また、使用者は労働者に対して、退職金、ボーナスや諸手当等はなるべく支払わない考えである。
 私達労働組合は、5月1日のメーデーを国民祝日制にすることの要求とあわせて労働者に対する保護を政府に要求している。さらに政府がジャムソスティック保険会社から受け取った配当金7,640億ルピアは労働者福祉のため返還するよう要求しているところである。
 最近インドネシア労働界で高まっている問題は経済特区における労働問題である。政府が誘致する経済特区は、直接工業貿易省と財務省のコントロール下にあり、労働組合結成の自由が保障されないと心配している。

全インドネシア労働組合総連合(KSPSI)
ロビーナ パサリブ

インドネシア運輸労働者組合連合 財務担当

 

 インドネシアには、[1]インドネシア労働組合総連合[2]全インドネシア労働組合総連合[3]全インドネシア労働総連合の3つのナショナルセンターと産別組合87ある。
 インドネシア、ジャカルタ特別州においては、最低賃金は1ケ月95万ルピア、単身者で1ケ月の生活費150万ルピアが必要である。給料や報酬は大都会の方が多く、地方はより少額である。収入が1番低いのは農業・林業・水産業である。
 インドネシアでは2004年に解雇された人数は12万5,143人うち労働委員会に提訴された件数12万7,038件、2004年末までに労働紛争が解決した件数は81件である。
 現在インドネシア労働者が直面する問題は1.完全失業者1,150万人、不完全失業者3,000万人、経済成長率5.6%だが、雇用はそれほど伸びず法的整備が弱い。就業形態が多様化しつつあり、それによって、労働組合を設立することが非常に難しくなり、その結果そのような労働者は権利や福祉の面での保障など受けられない状態である。女性労働者の雇用状況は2006年インドネシア就職率53%、男性88%、国際水準から比較すると男性85%,女性73%、この数字からみれば、女性就業率が低いといわざるをえない。
 インドネシアは既に性差別撤廃のILO条約を批准しているので、政府は女性労働者の採用・雇用を高める動きに関心を持っている。私達は国の経済発展には労働者を無視してはならないことを確信している。現在の大統領が3つのナショナルセンターと対話したことにより雇用状況が好転するよう期待している。