2015年 東ティモールの労働事情

2015年11月13日 講演録

東ティモール労働組合連合(TLTUC)
サビーノ・グロリア・ダ・コスタ

一般労働者組合(SJT-TL) 組織化担当

 

1.労働事情全般

  2013年 2014年 2015年(見通し)
実質GDP(%) 8.45% 11.16% 11.80%
物価上昇率(%) 9.6% 7.6% 8.7%
最低賃金 115ドル 115ドル 115ドル
労使紛争件数 76 68 109
法定労働時間 8/日 44/週 時間外/割増率
50%
休日/割増率
100%

 東ティモールは、オセアニアに位置する国で、低所得水準の国である。人口は、119万人で、人口密度は1平方キロメートル当たり79.24人、68.52%が農村部に、残りの31.48%が都市部に住んでおり、人口の45.78%が15歳未満である。2007年の人口増加率は2.52%で、国際通貨基金(IMF)によると、2013年のGDPは61億5000万ドル(約円)であった。2013年の失業率は4.4%、2012年は4%。経済は、主にサービス経済が基礎となっている。農業が占める割合は、GDPの18.4%、製造業と工業が26.3%となっている。世界銀行によれば、東ティモールは政治的に不安定と見られている。平均寿命は、67歳で、人口の38.3%が栄養不足の状態にある一方で、男性の39.6%、女性の51.1%が、肥満の状態にある。
 東ティモールに労働組合が誕生したのは2002年である。ナショナルセンターである東ティモール労働組合連合(TLTUC)は、教員、海運従事者、看護師、建設労働者、公務員、農業労働者、一般労働者の7つの組織が加盟している。
 労働者は、『労働法』に基づき3ヵ月間の産休(父親の産休・育休であるパタニティーリーブ(Paternity Leave)は5日間)、病気休暇は12日間、12日間のうち6日間は賃金が満額支払われ、残りの6日間は賃金の半額となり、年休は12日間取得できる。

2.労働組合が直面する課題

 総労働人口の85%がインフォーマルセクターで働いており、その大半が不安定、もしくは危険な労働条件のもとで仕事をしており、労働法が適用されていない。使用者は彼らを危険な条件のもとで働かせ搾取している。特に覚書を締結している韓国やオーストラリアへの海外出稼ぎ労働者は非常に厳しい状況に置かれている。
 現在、労働組合が直面している最も重要な問題は、雇用が減少し、労働者の権利と利益を守るために闘うことが非常に困難な状況に置かれていることである。また、政府が法律をきちんと執行していこうという意思が欠落しており、実効性が十分ではない。さらに、労使関係・労働政策に関する社会対話に政府が好意を示していない。労働組合加入に関する労働者の情報不足により、組織率が低くなっている。

3.課題解決に向けた取り組み

 このような問題を解決のための取り組みとして、[1]新しい対応アプローチを見つけること、[2]政府との対話を強化し、組合員教育を強化すること、[3]積極的に、提案する形で運動を行っていくこと、[4]組合の力を強くしていくこと、[5]労働組合の構造を再編成すること――などを検討し、活動を実施している。

*1ドル=118.78円(2016年月日現在)