2009年 東ティモールの労働事情

2009年6月16日 講演録

東ティモール労働組合連合(TLTUC)
ソニア・セケイラ (Ms. Sonia Sequeira)

東ティモール船舶・エネルギー・運輸労働組合 組織担当
TLTUC女性委員会委員

 

一般的労働事情

 国連の調査によると、東ティモールの総労働力人口は近年増加し、総人口の約45%である。うち65%は農業に従事し、約25%が失業し、わずか10%が官民両方のフォーマルセクターで雇用されている。失業は毎年増加している。毎年1万5,000人から2万人の若者が労働市場に参入しているが、1,000人から2,000人が雇用を見出すだけである。仕事の大半はインフラの整備事業、特に建設部門の請負仕事、また接客業の請負仕事である。失業者の大半は、学習の機会のない技能と能力に欠けた青年である。しかし青年は技能に欠けるとはいえ、なけなしの能力を使って、特に雇用の需要のある分野で学習し能力を高める目的を持った青年で構成される集団を組んで何かをやろうとしている。
 フォーマルセクターにおいては労働者の権利侵害が多くの職場で発生している。また不正義、解雇、賃金差別が蔓延している。労働組合に組織化されている職場は未組織の職場に比べれば保護の点では状況は良いと言える。ほとんどの侵害は建設業で発生しており、特にパートタイム労働者に対して侵害が行われている。
インフラ整備、建設業、観光業などの産業が成長している。最も大きな産業は石油とガスであり、今後とも青年の雇用を促進していくものと思われる。

労働組合が直面する課題

  • 失業率が高く、臨時雇いや下請け労働者が多いことが労働組合の組織化を困難にしている。
  • 青年労働者に労働市場で競争していくための技能が不足していることも、労働組合による青年労働者の組織化を困難にしている。
  • ほとんどの労働者には労働組合についての理解や教育が不足しており、労働組合運動の重要性についての意識が依然として低い。

これらの課題にどう対処するか

  • 職場における労働組合教育を通じて教育と技能訓練を行う。
  • 民間部門における能力向上に関する政府プログラムを支援すること。職業訓練は東ティモールでは最も重要な問題の1つである。
  • 建設業、海運業、接客業などの下請け労働者を組織化し、外注労働者や臨時雇い労働者に対する団体協約を進めていく。労働組合に入っていない労働者の紛争解決を図り、団体協約化を推進していく。

労働組合と政府との関係

  • 東ティモール労働組合連盟(TLTUC)は労働問題に関連する全国的な政策策定に東ティモールの労働者を代表して代表を派遣している。
  • TLTUCは,2004年1月以来設置されている全国労働委員会(National Labor Board)、労使関係委員会(Industrial Relations Board)、最低賃金委員会に代表を派遣している。
  • TLTUCは昨年設立された職業訓練委員会基金にも代表を派遣している。

多国籍企業問題

 東ティモールは外資に依存しており、多くの外資系企業が東ティモールで操業している。特に建設業においては中国企業が多く、日本、オーストラリア、インドネシアからも投資が行われている。これらの企業の多くは、労働者を企業の本国で採用している。特に中国の企業は中国本国で採用している。現地の労働者は短期の採用であり、そのため労働組合への組織化を困難にしている。

 最も大きい多国籍企業はティモール海の石油とガス企業である。アメリカからのチョンノコフィリップス(Chonnocophilips)、オーストラリアのウッダイド(Woodide)、大阪石油、シェル、などの企業がティモール海で操業している。