2004年 東ティモールの労働事情

2004年6月2日 講演録

東ティモール労働組合連合(TLTUC)
リゴベルト モンティロ

東ティモール労働組合連合 書記長代行

 

TLTUCの活動

 東ティモール労働組合連合(TLTUC)は、2001年2月に結成されました。結成以来3年たちましたが、この3年間にTLTUCで活動し働いてきたのは会長と私の2人でした。TLTUCは、人も足りなく、財源もありません。そこで、国際労働運動のさまざまな組織から援助を受けてきました。そのおかげで、現在は5人が常勤しています。5人の常勤者の内訳は委員長、私自身、それから3人の職員です。3人の職員の内、1人は総務財政担当、1人は会計担当、そしてもう1人は使い走りの少年です。
 この3年間に、東ティモールのすべての産業部門を組織化の対象にしてきました。その結果、現在の組合員数は約3,000人になりました。TLTUCに加盟している組合ですが、まず最大の加盟組合は教員組合です。次いで看護師労働組合、それから海上輸送及び陸上運送労働組合で、この組織は国際運輸労連(ITF)の援助の下に結成することができました。それから建設労働組合、ホテル・レストラン労働組合、そして最後に農業労働組合です。
 東ティモールにおける労働組合の結成は、その経過がほかの国と違っていると思います。東ティモールでは、まずナショナルセンターが結成されました。ナショナルセンターが企業別に労働組合を組織し、その次に産業別ないし部門別に組織されてきました。そのような産業別組織が、その次にナショナルセンターに加盟するという手続きを踏んだわけです。情報の不足、労働組合に関する教育の不足、労働者の知識不足というような状況がありましたので、労働組合結成を推進していくためには、まずナショナルセンターが結成されて、それを中心に、例えば労働者擁護活動や、また労働者の教育や訓練をすることにより、活動家を養成し、それらの訓練された活動家が、自分たちで自分たちの組合を組織するという過程をとったわけです。
 労働組合結成を推進して行く過程で、TLTUCは3つの問題に直面しました。まず第1は、組織化の問題です。これは世界中共通の問題だと思います。次に組合員の教育の問題です。第3は擁護活動に関連する問題でした。つまり労働者の利益・権利に関連する問題があったときに、労働者の側に立って発言する擁護活動です。何しろ、人手が不足していますので、私は事務局長代行として、今申し上げた労働組合のあらゆる活動分野を取り扱わなければなりません。その中でもとりわけ組織化の一部を担当しています。私の担当分野は、公共部門、通信部門、そしてマスコミ部門です。民間部門についてはダ・コスタ会長が責任を持っています。次に教育ですが、これは全部私の責任分野です。擁護活動に関してはダ・コスタ会長が責任を担っています。
 ナショナルセンターとしてTLTUCは、全国的な政策決定に関してかかわりを持っています。中でも、労働関係に関する国の政策決定にかかわっています。私自身は、全国労働委員会にナショナルセンターを代表して参加しています。全国労働委員会は、政府、特に労働省から諮問を受け、それに対して助言を行っています。その中身は、労働者に対して職業教育・訓練を行って東ティモールの労働者の能力向上をはかること、もう一つは、最低賃金の決定です。全国的な最低賃金と、地方の最低賃金の決定に関しても、私が労働組合を代表して委員会に参加しております。
 最後に申し上げたいことは、東ティモールでは労働組合で活動している者のことを頭のおかしい者達だというふうに言っております。労働組合で活動している者は1週間、7日間毎日休みも無く残業して働いているからです。毎日9時間から10時間働いています。ほんとうに馬車馬のごとく働いていますが、その目的は労働者の保護なのです。