2005年 カンボジアの労働事情

2005年7月27日 講演録

カンボジア労働組合調整評議会(CTUCC)
リー コーム

カンボジアツーリズム・サービス産業労働組合連盟(CTSWF) 会長

 

労働運動の現状とCTSWFの活動

 カンボジアでは多くの経営者が企業内にイエローユニオンを作り、労働運動を妨害している。例えばプノンペンにある「ヒマワリ」というホテルでは、企業によって新しい労働組合が作られたり、不当に4人が解雇されたりした。また、労組活動を違法として膨大な損害賠償が請求されるといった事件も起こっている。また、実際にストライキを実行する状況にはない。
 我々は団体交渉によって賃金引上げを要求し、現在7つのホテルと協約を締結している。他の労組とも協力し、社会に対し労働運動の基本理念を理解してもらう活動や、ILOやNGOとも協力してエイズ予防のための啓発活動などにも取り組んでいる。
 CTUCCの基本的な方針は、自由、民主主義と複数政党制であり、活動のスローガンとしては、「大きく」「我慢」「独立」の3つを掲げ積極的に運動を進めている。

カンボジア労働組合調整評議会(CTUCC)
サイ サムオン

カンボジア建設・木材産業労働組合連盟 会長

 

CCTUの活動とその課題

 CTUCCに加盟しているCCTUには20万人強の組合員が加盟し、12団体によって構成されている。カンボジア建設・木材産業労働組合連盟はその一つである。CCTUの大きな目的は2つあり、一つは人権を守ること、もう一つは労働者の利益を守ることである。国際的な協力としては、ILOと協力しながら教育関係、エイズ防止策関係、インフォーマル経済の3つの分野に取り組んでおり、日本のTWAROとの協力によって、財政的な面、団体交渉の進め方、労働法の問題や紛争解決対策などに取り組んでいる。組合員教育としては、法制度、労働法、職場安全、エイズなどをテーマに行っている。
 カンボジアの労働法は優れた法律であるが、実際には労組結成に関わったとして関係者が解雇されることも多く、活動の自由が抑制されるなど、法律が守られていないのが実態である。職場で直面している大きな課題は安全衛生問題であり、建設関係や、繊維関係でも劣悪な環境下での労働を強いられている。また、ゴム園、塩、漁業、レンガ工場などで、児童労働が多く行われおり、対策が必要である。
CCTUとしての教育活動は月に数回実施している。しかし、そのスケールは1ヶ月当たり105人程度が対象であって、20万人の組合員を教育するのは容易ではなく、財政的にも困難が多いのが実情である。