2010年 スリランカの労働事情

2010年5月21日 講演録

セイロン労働者会議(CWC)
サンバガバリ・ゴビンダン

書記長補佐兼女性問題担当

ヴィスバンタン・ラーマナータン
地域代表

 
組合名 セイロン労働者会議
Ceylon Workers’Congress (CWC)
組合員 190,000人(男93,100、女96,900) <2009年12月31日現在>
人 口 約2,022万人
公用語 シンハラ語、タミル語、(連結語 英語)
一人当りGDP 2,014米ドル(2008年)

1.労働情勢(全般)

 スリランカには650万人の労働者がいる。このうち200万人は公務員で400万人が民間部門で働いている。しかし労働組合の組織率は20~25%である。国内最大の労働組合は、セイロン労働者会議(CWC)で、8つの地域組織、48の地区事務所があり、コロンボに本部を置いている。プランテーション部門の組織率は78%で、その40%以上をCWCが占める。プランテーション部門で、唯一の産業別団体協約は、CWCと使用者間のものである。このほか、組合加入率が高いのは金融部門である。官民両部門にはいくつかのナショナルセンターがあるが、団体協約の範囲は限られている。政府は主要な国際労働基準をすべて批准しており、結社の自由や団体交渉権が認められている。

2.労働組合が現在直面している課題

  1. インフォーマル部門の組織化
  2. 組合が独自の教育プログラムを実施するために利用できる施設の確保
  3. プランテーション部門における昔ながらの労働形態の改善
  4. 単純労働におけるジェンダー平等の欠如

3.課題解決に向けた取組み

  1. 労働者の教育プログラムがILO ACTRAVによって支援されているが、まだ不十分なためその拡充をはかる。
  2. CWCは工場レベルのすべてに女性委員会を設けているほか、家計費、職場の均等待遇、HIV/AIDS根絶に対する意識向上の活動を展開している。
  3. CWCは労働会議財団(Congress Labour Foundation)を通じ、学校に行けない子どもに対し資金を無利子で貸与している。
    また、技術訓練プログラムの通信教育、奨学金の提供など、子どもの教育問題に取り組み、児童労働問題はうまく解決した。

4.ナショナルセンターと政府との関係

 CWCは常に政府と密接な友好関係を保っており、現在閣僚にはCWCの指導者が少なくとも1人は含まれている。副大臣も2人いる。ただし、組合は極めて独立しており、産業別の労働組合では賃上げ要求も行ってきた。

5.多国籍企業の進出状況と労使紛争

 多国籍業が進出しているのは石油産業、アパレル、自動車、飲料、食料品、ホテル部門など。一般に、労働組合がある産業では労働者の雇用条件は他の産業と同等かそれ以上である。