2009年 スリランカの労働事情

2009年9月29日 講演録

セイロン労働者会議(CWC)/スリランカ
スダジニ スブラマニヤム(Ms. Suthajini Subramaniyam)

CWC広報担当

 

1.労働情勢

 労働人口730万人のうち520万人が15~29歳のスリランカの法律でいう若年労働者である。スリランカ経済は若年労働者の労働力に依存していると言える。ほとんどの若年労働者は農園、自営業、アパレル産業、インフォーマル部門に従事している。農園部門には約15万人の労働者が雇用されているがその半分は若年労働者である。

2.現在直面している課題

 労働人口の37.2%は就業しておらずその意思もない。失業率は8.3%であり、国外に仕事を求める若年労働者も少なくない。

3.課題解決に向けた取り組み

 セイロン労働者会議は、中央、地方、地区、現場レベルの青年委員会で若年労働者の問題に取り組んでいる。49人の委員で構成されている青年委員会を毎月開催して活動実績、進展状況、今後の課題について論議する。青年委員会の意見を取り入れて従来の活動を見直して労働者の意識改革を漸次すすめている。職場での技術的な知識を現代的な方法で取り入れることなどはその一例である。

4.ナショナルセンターと政府との関係

 セイロン労働者会議は与党統一人民自由連合(UPFA)と会派を組んでいる。CWCから閣僚、副大臣に就任している。

5.ジェンダー問題の取り組み

 セイロン労働者会議(CWC)は、その組合員の75%が農園に従事している女性で占められている。組合のなかでは男女平等である。女性の51%はローカルのリーダーとしても活動している。組合研修等の参加は男女平等の機会が与えられている。労働時間は、男性は7時半から午後1時半までで間に休憩が入るが作業内容は女性と違って掃除やメイテナンスなどが中心である。女性は7時半から午後4時半まで茶摘みだけの仕事をする。女性労働者は搾取されている。産休は3カ月であるが男性の育児休暇もなく育児の手助けも期待できない。女性は一人で育児に当たらなければならない。仕事と家庭の二重の責任を女性は負っていることになる。家事に夫が参加することはない。国の伝統や文化がジェンダー平等の理解促進を許さない面もあり啓蒙活動をすすめている。

2009年6月5日 講演録

セイロン労働者会議(CWC)/スリランカ
カヴィッサア・パラマシヴァム(Ms. Kavitha Pramasivam)

セイロン労働者会議(CWC)女性委員会コーデイネイター

シヴァプラカサム・グルサミー(Mr. Sivapragasam Gurusamy)
プンドラヤ地域コーデイネイター

 

労働運動

 26年に及ぶ内戦が10万人以上の犠牲者と20万以上の避難民を出して終わった。ラージャパク大統領は2009年5月19日内戦の終結を宣言したが避難民の再定住や国民和解のための政治プロセスなど難題を抱えている。治安も完全には回復していない。失業と不完全雇用は改善されていない。デーセントワークのための雇用創出政策が求められている。内戦の終結によって半減してい観光客も増えるものと明るい期待がある。中央銀行の経済予測によると2007年の成長率は、6.6%、2009年は6.5~7.0%としている。

直面する課題と取り組み

 景気後退による雇用喪失、物価の高騰が顕著である。さらに、民営化、縫製工場の閉鎖が若年者の失業をもたらしている。雇用創出との関係で起業家プログラムと職業訓練による能力開発も行われているが十分なものではない。セイロン労働者会議(CWC)は、8つの地方事務所と48の地区事務所を通じて組合員とその家族、コミュニティーに住宅から教育までさまざまなサービスを提供している。セイロン労働者会議(CWC)は、セイロンティーの茶摘みをする労働者など多くの少数民族も代表している。英植民地時代に南インドからセイロン島北部につれてこられた労働者の子孫である。当時は厳しい労働条件、劣悪な生活環境にあった。紅茶農園は、その後花形産業になったが最近の若い労働者(そのほとんどが女性)は、単調できつい労働を嫌う傾向があり、敬遠される産業になってしまうのではないかと懸念されている。 労働者全体の組織率は20%であるが、農園労働者と銀行従業員の高い組織率が全体の組織率を引き上げているともいえる。スリランカの識字率は92%と高い。ITリテラシーと情報へのアクセスの向上や雇用問題の取り組みとして「ジョブネット」も導入されている。ジェンダー問題では、性別、民族、階級による差別は撤廃されてはいない。一方、ジェンダー・エンパワーメントでは、憲法の改正によって女性議員の比率40%義務化の検討を進めるよう運動している。