2006年 パキスタンの労働事情

2006年6月4日 講演録

パキスタン労働組合連盟(PWF)
バシール アハメッド ドガー

パキスタンワプダ水力発電中央労働組合ワプダ・ラホール地域支部長兼PWF副会長

 

 労働運動の状況は、ICFTU加盟の3つのナショナルセンター(APFOL、APFTU、PNFTU)がそれぞれに活動していました。しかし、われわれの組合のリーダーは、複数のナショナルセンターでは労使関係や労働運動がマイナスの影響を受けていると考え、全国の労働者の団結や連帯のために、2005年にナショナルセンターを1つに統合しました。正式な名称はPWF(Pakistan Workers' Federation)で、本部はラホール、8地方組織、加盟組織数419組織、加盟組合数88万192人(うち女性組合員数1万7,900人)です。

マッド イムラン
パキスタン労働組合連盟パンジャブ中央支部青年委員会委員

 

 役員構成は、会長1名、理事1名、事務局長1名、副会長9名(うち女性1名)、副理事8名、副事務局長8名、財務担当1名、合計29名です。
 現在、パキスタンでは民営化が急ピッチで進められています。そのプロセスにおいて合理化やリストラの名目で人員削減が行われ、結果として労働者の失業が問題になっています。組織化の自由を制限されることは、ILO87条約・98条約の明らかな違反です。この問題への取り組むためにPWFは、デモ・集会を開催し、進められている民営化をストップさせることをよびかけました。また、それと同時に雇用拡大を政府に要求しました。
 契約社員などの雇用率が高く、一般労働者にとって安定した雇用機会に恵まれていません。そして、民間企業で男女平等の原則が守られていないことが問題です。諸待遇に格差が目立ち、働く女性が勤続を高める環境、たとえば職場保育所、授乳施設が不足している現状です。
 もう一つの課題は、貧困やインフレによって多くの労働者は子どもを学校に通学させることができず、児童労働につながる要因となっていることです。

タスニーム アンワル
パキスタン労働組合連盟女性委員会事務局長

 

 私たちの目指している目標を説明します。一つ目は、独立した民主的な労働運動を強化することです。PWFは、外部からの介入や干渉を排除して、パキスタンの労働者の利益と尊厳を守ることを重視しています。二つ目は、組合と地方組織そしてナショナルセンター間のコミュニケーションを強化させることです。このことは労働運動全体を充実させていくためにも重要であり、そのためには、ナショナルセンターからの指導や教育の強化も必要と考えています。
 次に、パキスタン労働者の生活保護や利益を守るための重点項目を挙げると、組織化の自由、団体交渉権の確保、発言の自由、広報・出版の自由、スト権の確保、労働条件の向上、待遇の差別撤廃、男女の平等と均等待遇、基本的人権条項の国外内批准などへ関心をむける、などです。今後も、限られた資源を有効に使うために労働者の教育、トレーニング、実態に応じた地域活動を展開します。