2003年 ネパールの労働事情

2003年6月4日 講演録

ネパール労働組合会議(NTUC)
ジーブ ラル カフレ

ネパール教員労働組合 シャンザ支部執行委員

 

国内の状況

 ネパールの国王は2002年10月4日、シェル・バハドゥール・デウバ首相を解任し、行政権を掌握した後、ロケンドラ・バハドゥール・チャンドを首相に任命しました。国会に代表を送る主要政党を締め出したのです。これら主要政党は、国王のこのような行動に対し反対運動を行っています。2002年5月に解散した国会を再召集し、主要政党が参加する政府をつくるように要求しています。
 先日、5月30日に、ロケンドラ・バハドゥール・チャンドは首相を辞任しました。過去7年にわたり、残虐な活動を行ってきたマオイスト、つまり毛沢東主義者は停戦に合意し、政府との和平会談に臨んでいます。主要政党は和平会談の開始を肯定的に受けとめています。
 経済不況や社会混乱の問題もやや好転してきています。産業、特に観光産業には幾分改善の兆しが見られます。2003年5月29日、ネパールではエベレスト初登頂50周年が祝われました。初登頂者であるエドモンド・ヒラリー卿、また最初の女性登頂者である日本人の田部井淳子さんも、この記念式典に出席されました。
 チャンド政権によって設置された公務員監査及び監視チームは、NTUCの指導者を恐怖に陥れ「NTUCを解散させてやる」と、おどしましたが、NTUCはこのような非合法かつ憲法に違反するおどしに対し、強く反発、非難しています。代表団がロケンドラ・バハドゥール・チャンド首相に面会し、これらの行動に対し、強く遺憾の意を表明いたしました。
 NTUCの現在の活動について申し上げます。NTUC中央執行委員会は国際金融機関と会談を行っています。また会長及び役員はIMF、国際通貨基金、世界銀行、アジア開発銀行の代表らと会い、国の経済の復興のための話し合いを行いました。

NTUCの活動方針

 ILOの第87号条約を国会で批准させ、労働組合権や人権を実施させることが第1にあげられます。児童労働の根絶、職業安全衛生の保障、労働組合の統一、労働法の実施なども重要な活動方針であります。男女間の平等、労働組合運動における女性参加の増進、健全な労使関係の確立なども重要活動課題であります。
 NTUCの具体的な活動について申し上げます。NTUCは全国大会を開催しています。集会の開催、ポスターそのほか情宣活動、研修活動を行っています。JILAF、ILO、ICFTU、FESなどの援助により児童労働根絶活動を行っています。また、社会的意識の向上、技術養成プログラム、収入を得ることのできるプログラムなどを実施しています。また、国会議員らに働きかけ、ILOの条約を批准させ、施行させます。